2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of high-energy astrophysical phenomena in star and planet formation processes
Project/Area Number |
21H04487
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富田 賢吾 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70772367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 成生 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (20865795)
大平 豊 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40589347)
岩崎 一成 国立天文台, 天文シミュレーションプロジェクト, 助教 (50750379)
古家 健次 国立天文台, 科学研究部, 特任助教 (80783711)
高棹 真介 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (90794727)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 星形成 / 宇宙線 / 磁気流体シミュレーション / 原始惑星系円盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
星・原始惑星系円盤の形成過程では、磁場による角運動量輸送が円盤進化を決定する重要な物理過程である。磁場とガスの結合の強度を決める非理想磁気流体効果は電離率に依存するため、円盤形成過程のシミュレーションには現実的な電離過程を考慮した非理想磁気流体計算が必要である。特に、星形成領域では宇宙線による電離が重要であり、磁力線に沿った宇宙線の輸送を考慮する必要がある。 今年度は、宇宙線による電離過程をシミュレーションに取り入れるために、新たに宇宙線輸送コードを開発して我々が国際協力で開発しているAthena++コードに実装した。宇宙線の伝播は星形成過程の流体よりも遥かに速いため、高速な計算を実現するために非等方拡散近似を採用し、Full-Multigrid法を用いて時間刻みに制限のない陰解法で解くコードを実装した。これにより現実的な計算コストで宇宙線によるガスの電離率を非理想磁気流体シミュレーションに整合的に組み込むことに成功した。 更にこのコードを用いて、星間空間から浸透する宇宙線を考慮した星・原始惑星系円盤形成過程の非理想磁気流体シミュレーションを実施した。その結果、高密度領域では宇宙線は十分に遮蔽され、原始惑星系円盤形成領域では電離率が星間空間よりも一桁程度下がることがわかった。 宇宙線の拡散係数、特に電離過程に重要な低エネルギー宇宙線の拡散係数には大きな不定性があるため、その影響を調べるために先行研究を参考にして幾つかモデルを仮定して異なる拡散係数を用いたシミュレーションを現在実行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りコード開発に成功し、計算を進めている。概ね想定通りの進展状況であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発した宇宙線輸送コードは単一の宇宙線エネルギーしか考慮していないため、今後このコードをエネルギースペクトルを考慮できるよう拡張し、より現実的な電離過程を考慮したシミュレーションを行う予定である。また、形成された原始星からのフレアや衝撃波による宇宙線をソース項として取り入れるためのモデル開発にも今後取り組む。
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