2022 Fiscal Year Annual Research Report
Making hierarchical asperities out of mud
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21H04507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中谷 正生 東京大学, 地震研究所, 教授 (90345174)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 鉱物粒子 / 固結 / 臨界滑り距離 |
Outline of Annual Research Achievements |
三軸試験装置による高温・高圧下における固結・変形実験については、長時間試験を安定してに行うために昨年度更新した、圧力、軸力(上下左右それぞれ)、封圧、間隙水圧のサーボ制御システムで用いている各種センサの絶対・及び相互キャリブレーションを行い、さらにセーフティリミッタの設定を調整した。また、制御装置更新後初の圧力容器法定検査に合格した。 また、上記三軸試験装置において低速の変形を行うにあたって、試料に剪断成分を与える役割を果たしている上下軸の載荷ピストンの制御目標電圧のDA変換の分解能が粗すぎるために、ピストンの進行が階段状となり連続的な低速すべりを実現できないという問題を解決するために、高分解能のDA変換器を用いた補助制御信号発生装置を作り、これを主制御目標電圧に加えられるようにした。 また、三軸試験においては、被試験体である鉱物粉体層に封圧媒体が入り込むことを防ぐために、ジャケットで滑りブロックごと鉱物粉体層を覆う必要がある。滑り変位が進むにつれ試料両面の滑りブロックが食い違いジャケットが破れてしまうため、厚肉の鉛ジャケットを製作した。鉛を使うのは、ジャケット強度を低く抑えて試料にかかる摩擦力の測定への影響を抑えるためである。 いっぽう、滑り距離に制限なく摩擦実験のできる回転式摩擦試験装置においては、予備的な実験を行い、粉体試料のセッティング法や、試料状態を落ちつけるためのならし滑りの条件等を試行錯誤し、ある程度再現性のある実験ができるようになった。 また、部分的除荷時のガウジ粒子配置の再編成によると思われる長い臨界滑り距離を伴う強度回復と、粒子間固結の時間依存強化による短い臨界滑り距離を伴う強度回復の両方が見られる室温下での既存実験データについては、両者のメカニズムで、音波透過率変化/強度変化の比が全く異ることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長時間の固結試験中に予期せぬ事態がおきた場合にすぐに気付けるように、補助記録装置の導入を予定していたが、世界的な半導体不足の長期化・影響拡大に伴う業者の在庫不足から、納品が間に合わず、予算を一部繰越して、3年目(2023年度)に入手・導入した。 また、本年度に導入した補助制御信号発生器は、昨年度コロナ禍で納品が遅れて、今年度に入手したものである。
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Strategy for Future Research Activity |
三軸試験装置に付加した高分解能の補助制御信号発生装置の操作をPCで行うプログラムを作成し、試験運転を行う。 厚肉の鉛ジャケットを導入したことによって三軸試験装置で長い変位まで滑り実験を行えるようになったが、滑り面が装置の軸に対して斜めであるため、上側の滑りブロックは、装置の中心に対して10ミリ程度水平方向にずれることになる。これを許容できるように、ヒーターアセンブリの再設計・製作を行う。また、融点の低い鉛ジャケットでなるべく高い温度まで実験するためには、温度を均一化することが必要であり、多点温度計測のために、測定システムのチャンネル数を増やす。 回転式試験機では、再現性確保のために、実験スキームの試行錯誤を続けつつ、摩擦係数などの基本的なデータを取得して、装置の信頼性を検証する。 また、粒子配置再編と時間的固結のメカニズムについては、粒子のふるまいがその場観察できる透明セル式の試験機で、この挙動の再現を目指す。
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Research Products
(1 results)