2023 Fiscal Year Annual Research Report
Making hierarchical asperities out of mud
Project/Area Number |
21H04507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中谷 正生 東京大学, 地震研究所, 教授 (90345174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 修 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 研究員 (30511969)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 鉱物粒子 / 固結 / 臨界滑り距離 / 摩擦則 |
Outline of Annual Research Achievements |
三軸試験機において低速での滑り試験で行うため昨年度導入した、高分解能の補助制御信号発生装置を用いる実験操作をPCから対話的に行うプログラムを作成し、非常に低速でもスムースに載荷できることを確認した。 また、斜めカットブロックを用いた三軸摩擦実験で大きな累積滑り量を実現するために導入した鉛の厚肉ジャケットは融点が低く、温度分布の均一性に注意が必要である。その調整のために多点で温度を監視できるよう、計測システムのチャンネル数を大幅に増やした。さらに、音波透過率の計測装置も追加した。 また、滑り面が装置の軸に対して斜めであるため、上側の滑りブロックは、装置の中心に対して10ミリ程度水平方向にずれるが、これを許容できるヒーターアセンブリを設計・製作した。封圧媒体油が熱を持ち去ることを防ぐための試料およびヒーター全体を囲むケースの上側開口部を大きくとった上で、上側滑りブロックの水平移動によって自由にスライドする蓋板をつけて、開口部からケース内の熱された油が逃げていくことを妨害するよう設計した。また、ケーブル式のコイルヒータを試料アセンブリに直接巻きつける方式とすることで、温度均一化のための調整自由度を大きくした。 累積変位に制限のない回転式試験機においては、様々な間隙圧、法線応力での摩擦試験を行い、有効法線応力に対して摩擦係数0.6程度の摩擦係数が計測されるという、先行研究と整合的な計測値が得られた。 透明セル式の摩擦試験機においては、除荷・振動によって粉体層の充填密度を変える予備実験を行った。 また、強度回復・速度依存性・滑り弱化の標準的な観察を完全に両立させることは現在のRSF摩擦の枠組みでは原理的に作れないことを理論的に示し、新たな統合の方法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FY2021-2022の機器納入の遅れに加えて、三軸試験機の大変位を許容するヒーターアセンブリの開発が、過去に使用していた部材が生産中止になっていることもあって時間がかかっており、まだ長時間の熱水下固結試験が実施できていない。 一方で、当初の予定にはなかった、摩擦則の理論形式の原理的な困難については、大きな進歩があった。
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Strategy for Future Research Activity |
三軸試験機のヒーターアセンブリの調整を完了して、長い固結時間を含むスライド-ホールドースライド試験を実施し、データをまとめる。 透明セル式試験機については、時間依存性の粒子間固結を観察しやすいと思われる、熱可塑性樹脂粒子を用いた実験を行い、幾何学的粒子配置と時間依存性粒子間固結のプロセスの共存の観察をめざす。 RSF摩擦則の理論形式の根本的問題については、最近投稿した論文を改訂し受理を目指す。
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Research Products
(3 results)