2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on energy sources of escaping ions in the polar regions
Project/Area Number |
21H04520
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小嶋 浩嗣 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (10215254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 泰信 国立極地研究所, 共同研究推進系, 教授 (00362210)
加藤 雄人 東北大学, 理学研究科, 教授 (60378982)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | イオンの垂直加熱 / 電離大気流出 / 波動・粒子相互作用 / プラズマ波動 / ASIC / EISACATレーダー / 計算機シミュレーション / 電界センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
・極域におけるイオン流出にかかわるイオン垂直加熱に対する波動粒子相互作用を直接観測することを目的としたSS-520-3ロケットデータの解析を推進した。特に電界モノポールセンサーとして、観測した広帯域波動BBELFに対して、位相差解析を行ったところ、その周波数依存性に従った定量的なデータが得ることに成功し、これまでその位相変化を捉えることが難しく、プラズマ波動のモード特定に至っていない問題の解決に大きく近づいた。 ・テスト粒子シミュレーションの初期条件として与えるプラズマ波動の波長や位相速度について、極域電磁圏における飛翔体観測結果およびプラズマ空間分布のモデルに基づいて整理した。 ・EISCAT_3Dレーダーデータを格納するために必要となるラックサーバーを用意し、そのシステム構築を進めた。さらに、EISCATレーダーのデータセットを用いて、磁気嵐時の分子イオン上昇流の統計解析を実施し、学術雑誌に論文を投稿した。 ・プラズマ波動モードを特定を行うために有用なインターフェロメトリ手法の定量的解釈に必要となる計算機シミュレーションモデルを確立した。シミュレーションボックス内に電界センサーを設定し、電子ビームを入れることでラングミュア波動をシミュレーションボックス内に励起して、インターフェロメトリ観測をシミュレーションすることに成功した。このシミュレーション手法を用いることによって、電界センサーの特性を含めたプラズマ波動の位相変化を定量的に捉え、その波動モードの特定と理解につながる手法を開発した。また、小型プラズマ波動観測器用のASIC開発においては、広帯域チップの設計改良を行い、プッシュプル方式の導入により、これまで100kHzまで限界であったチップの帯域を10MHzまでのばすことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・SS-520-3ロケット実験において得られたBBELF波動の位相変化をモノポールセンサーで捉えることに成功しており、更なる詳細解析によりプラズマ波動のモード特定に近づいた。 ・極域の空間的な非一様性を考慮したモデルでの計算がスタートした。 ・EISCATレーダーの過去の大規模データから統計解析を行い分子イオンについて新たな知見を見いだしている。 ・インターフェロメトリを含め、極域でイオンの垂直加熱に関係していると考えている波長が短い静電波動に対して、その位相速度などを定量的に一つの衛星でみつもることができる手法をシミュレーションできるツールを開発できた。また10MHzまでの広帯域なプラズマ波動を観測できる数mm角のチップを開発することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・SS-520-3で得られた広帯域静電波BBELFに対するインターフェロメトリ計測から得られるプラズマ波動の位相速度の特定精度を向上させる。これには、計算機シミュレーションによってモデル化に成功した位相検出の結果も参照して精度の向上をはかる。これによりBBELFのプラズマ波動モードの特定につなげ、BBELF発生メカニズムの解明へとつなげていく。 ・ロケット実験による観測結果も取り入れて、引き続き「どの種類の波動がイオンの加速に有効なのか」を明らかにするシミュレーションによる研究を進める。 ・2024年度にファーストライトを予定しているEISCAT_3Dレーダーから得られるデータを用いて、新たな極域大気流出研究を推進するためのデータ解析環境整備を引き続き実施する。 ・インターフェロメトリモードに衛星本体の存在の影響を考慮して精度を向上させる計算機シミュレーションを行う。特に短い波長のプラズマ波動に対しては、衛星本体の影響が無視できないと考えられるため、衛星本体の存在が精度に与える影響を調査していく。プラズマ波動観測器のチップについては、広帯域したチップのダイナミックレンジおよび線形性向上をこころみ、ワンチップの超小型プラズマ波動観測器の実現を目指す。そして、極域で小型衛星による多点観測が実現するためのプラズマ波動観測器システムの開発へとつなげていく。
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Research Products
(36 results)
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[Presentation] Broadband electric field fluctuations observed by LFAS/WFC onboard the SS-520-3 sounding rocket2022
Author(s)
栗田 怜, 小嶋 浩嗣, 頭師 孝拓, 石坂 圭吾, 熊本 篤志, 浅村 和史, 笠原 禎也, 尾崎 光紀, 松岡 彩子, 野村 麗子, 横田 勝一郎, 阿部 琢美, 細川 敬祐, 小川 泰信, 齋藤 義文
Organizer
地球電磁気・地球惑星圏学会
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[Presentation] Supra-thermal ions observed by TSA/IMS onboard the SS520-3 sounding rocket2022
Author(s)
浅村 和史, 滑川 拓, 横田 勝一郎, 小嶋 浩嗣, 栗田 怜, 頭師 孝拓, 石坂 圭吾, 熊本 篤志, 松岡 彩子, 野村 麗子, 齋藤 義文
Organizer
地球電磁気・地球惑星圏学会
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[Presentation] Plasma wave and DC electric field observations by the SS-520-3 sounding rocket2022
Author(s)
頭師 孝拓, 石坂 圭吾, 笠原 禎也, 尾崎 光紀, 栗田 怜, 八木谷 聡, 加藤 雄人, 小嶋 浩嗣, 阿部 琢美, 細川 敬祐, 小川 泰信, 齋藤 義文
Organizer
地球電磁気・地球惑星圏学会
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[Presentation] SS-520-3号機観測ロケット実験フライト結果の概要2022
Author(s)
齋藤 義文, 小嶋 浩嗣, 小川 泰信, 浅村 和史, 阿部 琢美, 石坂 圭吾, 栗田 怜, 熊本 篤志, 頭師 孝拓, 田中 真, 滑川 拓, 野村 麗子, 細川 敬祐, 松岡 彩子, 横田 勝一郎, Moen Joran, Miloch Wojciech J
Organizer
地球電磁気・地球惑星圏学会
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[Presentation] Plasma Wave and DC Electric Field Observations by LFAS onboard the SS-520-3 Sounding Rocket2022
Author(s)
Takahiro Zushi, Keigo Ishisaka, Yoshiya Kasahara, Mitsunori Ozaki, Satoshi Kurita, Satoshi Yagitani, Yuto Katoh, Takumi Abe, Keisuke Hosokawa, Yasunobu Ogawa, Yoshifumi Saito, Kojima, H
Organizer
URSI-JRSM 2022
Int'l Joint Research
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[Presentation] Interferometry observation of ECH and chorus waves by the Arase satellite2022
Author(s)
Tomoe Taki, Satoshi Kurita, Airi Shinjo, Satoko Nakamura, Kojima, H, Yoshiya Kasahara, Shoya Matsuda, Ayako Matsuoka, Yoshizumi Miyoshi, Iku Shonohara
Organizer
URSI-JRSM 2022
Int'l Joint Research
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[Presentation] Japan's Activities for the EISCAT_3D Project2022
Author(s)
Y. Ogawa, H. Miyaoka, S. Nozawa, T. Hashimoto, S. Oyama, K. Nishimura, T. T. Tsuda, H. Fujiwara, M. Tsutsumi, Y. Tanaka, T. Nishiyama, T. Nakamura, R. Fujii, C. Heinselm
Organizer
日本地球惑星科学連合大会
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[Presentation] EISCAT_3D and Japan's Activities2022
Author(s)
Y. Ogawa, H. Miyaoka, S. Nozawa, T. Hashimoto, S. Oyama, K. Nishimura, T. T. Tsuda, H. Fujiwara, M. Tsutsumi, Y. Tanaka, T. Nishiyama, M. Fukizawa, T. Nakamura, R. Fujii, C. Heinselm
Organizer
地球電磁気・地球惑星圏学会講演会
Invited
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