2022 Fiscal Year Annual Research Report
Smart control of gas-liquid two-phase turbulent boundary layers for frictional drag reduction
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21H04538
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村井 祐一 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80273001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 裕司 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00419946)
PARK HYUNJIN 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00793671)
熊谷 一郎 明星大学, 理工学部, 教授 (50597680)
堀本 康文 北海道大学, 工学研究院, 特任助教 (60822525)
北川 石英 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 教授 (80379065)
大石 義彦 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90617078)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 乱流 / 混相流 / 境界層 / 抵抗低減 / 船舶 / 気泡 / レオロジー / 省エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,以下の研究調査を進めた.朴は,点電極プローブによる船底境界層内の気泡群の壁面垂直方向のボイド率分布と気泡径分布を測定した.熊谷は高速チャネル中に翼を設置することで空気導入管内のスワールが微細気泡を大量発生させることを発見した.大石は前年度までに開発した高時間分解レーザーせん断応力計により,乱流境界層中で摩擦を支配するハイバーネーションイベントの統計を実施した.北川は撥水性円孔における気液界面の画像計測とマイクロ気膜法に関する基礎研究を実施し,それら壁面装飾が効果を有することを確認した.田坂は非定常剪断流れにおける気泡懸濁液の実効粘度マップを取得する方法論を開発し,従来の理論値から外れる高い実効粘度の発現の条件を見出した.堀本は水槽中の移動壁面上を流れる気泡の運動を計測し,流れ方向にボイド率が粗密を自然形成する条件が船底のボイド波と相似性をもつことを見出した.代表者の村井は,企業からのアドバイザーを招き,以上の成果を年度末報告会として情報交換し,次年度以降の研究計画の策定を推進した. これらの成果は,9編の評価の高い国際学術誌に投稿され,掲載された.Chemical Engineering Scienceに1編,Flow Measurement and Instrumentationに2編,International Journal of Multiphase Flowに3編,Nuclear Technologyに1編,Ocean Engineeringに2編,ならびにPhysics of Fluidsに1編である.また,2022年6月には本課題に関して集中討議する日米二相流専門家会議を開催し,本課題から7件の発表がなされた.さらに欧州機関が主催する海洋二相流会議 Aquaから招待講演の依頼を受け,本課題の成果を発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者および分担者が初年度の計画策定から成果獲得まで5回の全体会議を実施し,相互の進捗を確認して進めたため順調と判断できる.R4年度の年度末には研究推進員会を開催し,造船企業,海運企業,海上技術安全研究所,理研など計5名の外部アドバイザーに批評を頂き,次年度の研究内容の具体化を促すことが出来た.成果はR4年度内に9編の国際学術雑誌に掲載され,インパクトファクタの和は33.4に至った.初年度のR3年度からの累計ではインパクトファクタ75を超えている.これは科研基盤Aの学術研究プロジェクトでは順調と言える.また研究成果からさらなる未解明要素が派生しており,抵抗低減を促進するさらなるアイデアと仮説が生まれ,次年度に向けて取り組むべき内容が具体化した.
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Strategy for Future Research Activity |
R4年3月とR5年3月に開催された2回の研究推進会議において下記の質問の議事録があり,これらについてR5年度に開発調査を推進することとなった.高速水流の運動エネルギーがもたらす負圧を利用した翼形気泡発生装置については,気泡発生なしの条件でも船体抵抗が低下するデータを得ており,翼それ自体が下流の乱流境界層構造を変化させていると考えられる.この調査を風洞実験によって行う.ベルトドライブによる船底を模擬した気泡流境界層の再現実験では,ベルトに撥水性コーティングを課すことで,表面性状と気泡の相互作用による抵抗低減効果の拡大が期待される.これについてR5年度はパラメータスタディを実施する.気泡の間欠注入による乱流摩擦抵抗低減効果の拡大は,本課題から実装へのステージに移っているが,個々のボイド波の持続性とそれを支配する内部の気泡クラスタリング現象については系統的な理解が乏しいため,R5年度はこれを長距離チャネル水槽で調査する.また僅かに断面積が拡大していく水平拡大チャネルでは,ベンチュリー管と類似した気泡のバックスリップが,微細気泡のみを下流に放出し,大気泡は気膜を形成して停留し,間欠的な微細気泡放出を生み出す.これが動的なバルブを用いない自然発生的な間欠気泡注入法として発展させることができると考え,その周波数制御のための実験的調査を進める.
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[Book] 流体計測法2022
Author(s)
村井祐一ほか
Total Pages
380
Publisher
日本機械学会
ISBN
978-4-88898-326-6
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