2021 Fiscal Year Annual Research Report
振幅・位相および時間情報を用いた3次元光秘匿通信技術の研究開発
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21H04547
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 真人 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (10333890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣岡 俊彦 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40344733)
葛西 恵介 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (80534495)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 光秘匿通信 / 多値変調 / 時間領域変調 / 物理暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、これまでに開発してきた光の位相と振幅を用いた2次元物理暗号へ、新たに時間軸におけるデータの拡散動作を導入した3次元光秘匿通信の動作原理を実証した。具体的には、送信機として任意波形生成装置を使用し、受信器としてデジタルオシロスコープを用いた単一チャネルのオフライン伝送実験の結果をもとに、時間軸のデータ拡散動作を追加することによる安全性の向上効果を検証した。その結果、8ビット以上の乱数を用いた時間拡散を利用することにより、盗聴者が1シンボル分の正しい情報を得るために必要な信号の受信回数を1桁以上高められることを明らかにした。これは暗号化に用いる信号の多値度を4倍(2ビット)高めることに相当する。言い換えると、一定の安全性を確保することを考えた場合に、時間領域の拡散効果を利用することにより暗号化信号の多値度を2ビットだけ下げることができ、より汎用性の高い電子部品(D/A、A/D変換器)を送受信装置に利用することが可能となる。このように提案する光秘匿通信方式の実用性を高められることを明らかにした。 また本年度は、上述したオフライン伝送実験の成果をもとに、リアルタイム動作を実現するためのFPGA(Field Programmable Gate Array)回路の作製に着手した。具体的には8ビットの乱数列生成器を追加し、それを用いて申請書で提案した2種類の時間拡散動作(方式1:ダミー信号を利用する方式、方式2:ダミー信号は用いず、暗号化データの順序を時間軸上で入れ替える)を実現するためのFPGA回路を設計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オフライン伝送による3次元光秘匿通信の原理実証およびFPGA暗号化・復号化回路の設計を計画通り推進した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に設計したFPGA回路を実装し、3次元光秘匿通信のリアルタイム動作を実現する。 また、初年度の単一チャネルオフライン伝送系を改良し、1~10 Tbit/sの大容量WDM伝送系を構築する。
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