2022 Fiscal Year Annual Research Report
Developments of ultra-high-speed VCSELs using coupled cavities
Project/Area Number |
21H04554
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 二三夫 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30178397)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | 面発光レーザ / データセンタ / 光インターコネクト / 高速変調 / 半導体レーザ / 直接変調 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属開口を用いた結合共振器による単一モード化を実現するとともに,光ファイバとの高効率結合,高信頼性,高出力動作を可能にする単一モード面発光レーザの実現を目指し,1060nm帯面発光レーザウェハの設計・調達,試作素子の製作,およびその発振特性の評価を実施した.令和4年度に引き続き,金属開口による結合共振器形成のため,上部半導体DBRは数ペアのHalf-cavity構造とし,金属開口形成後に誘電体反射鏡を形成している.金属開口を有する結合共振器面発光レーザは,従来のIntra-contactの面発光レーザとほぼ同様であり,3インチウェハの量産技術を実際に適用した.金属開口面発光レーザでは,金属境界での反射により,結合共振器効果による変調帯域の増大効果を実験的に明らかにした.また,伝送距離を拡大するために,光ファイバの伝送損失が1dB/kmと小さく波長分散も通常の850nm帯よりも低減できる1060nm帯を選択した.また,今年度は,歪量子井戸の層数,歪量の増大などの施策を行い,高速化を進めるとともに,メサ径の微小化,パッド容量低減などの高速化の工夫を行った.試作した金属開口面発光レーザの室温における小信号変調特性では,結合共振器効果により,変調帯域としては2倍の29GHz以上の高速化を実現した.同時に,酸化開口径5-7umに対してもサイドモード抑圧比30dB以上を実現するなど,高速応答と単一モード動作の両立を達成した. さらに,単一モード光ファイバの伝送実験を実施し,プリエンファシスを行うことで,ファイバ長2km, 65Gbps,10km,45Gbpsの高速伝送に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属開口を用いた結合共振器による単一モード化を実現するとともに,光ファイバとの高効率結合,高信頼性,高出力動作を可能にする単一モード面発光レーザの実現を目指し,以下の成果を得た. 金属開口を有する結合共振器面発光レーザでは,従来のIntra-contactの面発光レーザとほぼ同様の3インチウェハの量産技術の適用を実際に検証し,構造は新規であるが,従来の量産技術適用の有効性を実証した.伝送距離を拡大するために,光ファイバの伝送損失が1dB/kmと小さく波長分散も通常の850nm帯よりも低減できる1060nm帯の有効性を伝送特性の結果から実証した.また,今年度は,歪量子井戸の層数,歪量の増大などのウェハ構造の改善を行い,高速化を進めるとともに,メサ径の微小化,絶縁膜の厚膜化によるパッド容量低減などの高速化の工夫を行い,試作した金属開口面発光レーザの室温における小信号変調特性では,単一モード面発光レーザの変調帯域としては世界最速の29GHz以上の高速化を初めて実現した.同時に,酸化開口径5-7umに対してもサイドモード抑圧比30dB以上を実現するなど,3mW以上の単一モード出力を得るとともに,高信頼化の道を拓いた. さらに,単一モード光ファイバの伝送実験を実施し,プリエンファシスを行うことで,ファイバ長2km, 65Gbps,10km,45Gbpsの高速伝送に成功し,伝送距離は,従来の850nm帯に比べて100倍,伝送距離・伝送速度積は,45倍の450Gbps・kmを達成するなど,次世代データセンタ用高速・低消費電力光源の可能性を明らかにした.
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Strategy for Future Research Activity |
100Gbps変調を目指し,横方向の結合共振器の結合量をさらに増大する構造の設計と試作を進める.また,更なる高速化を進めるとともに,大信号変調のアイパターン評価,光ファイバ伝送特性の評価を実施する. これまでの結果をもとに,結合共振器結合共振器の高速化を進めるために,共振器の結合強度を増大する素子構造の探索を進め,単ーモード光 ファイパ伝送帯域,伝送距離を拡大するための低チ ―プ化の効果を検証する.さらに,多値変調を適用して,伝送速度の拡大を進める. 2022年度の結果を受けて,GaInAs/GaAs結合共振器面発光レーザアレイの試作を継続して行い,高温動作領域においても,変調帯域を小信号50GHz以上,大信号NRZ変調で100Gbps, 多値変調PAM4で200Gbpsまでの拡大を目指す. 結合共振器面発光レーザの波長チャービングを光ファイパを通過させた場合の小信号応答特性から評価するとともに,1060nm帯単ーモー ド光ファイパの伝送距譲を拡大するための条件を明らかにし,200Gbps伝送時の伝送距離を2kmまで拡大する条件を明らかにする.さらに,面発光レーザの特色を活かす高密度アレイ化の試作と拡張性を明らかにして,Tbps光リンクの基盤を確立する.
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