2022 Fiscal Year Annual Research Report
デマンドレスポンスの実施診断:性能10倍への挑戦とオンデマンド情報取得学の創成
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21H04558
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 俊一 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40420400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 順之 東京理科大学, 工学部電気工学科, 准教授 (50371224)
小林 孝一 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (50452115)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | デマンドレスポンス / 情報取得 / フィードバック制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
デマンドレスポンスとは,スマートグリッドにおいて,需要家から報酬と引換えに節電量を得るしくみである.これを実現するためには,各参加者が契約量を確実に供給することが重要であるが,現実には予期せぬ障害により未達の参加者が現れる.その場合,すぐに原因を突き止め解決しなくてはならないが,そのためにはすべての参加者のスマートメーターを(瞬時に)検針するという膨大な量の情報取得が必要であった.そこで,本研究では,以下の2つを目標として研究を行っている. (目標1)すべてのスマートメーターを検針することなく,わずかな回数の検針をオンデマンドで実施するだけで,未達参加者を正確に検出する方法の開発 (目標2)(目標1)を他分野の一般的な推定問題に展開するための共通原理の解明
これに対して本年度の成果は以下の通りである.前者については,未達参加者の推定問題を重み付きブロックスパース最適化として定式化し,それらのパラメータをデータから適切に推定する方法を開発した.いくつかの例での検証に留まってはいるが,この方法により,目標とする性能10倍を達成できる可能性が高いと考えられる.後者については,環境認識や情報交換に制約を有する移動ロボットの制御および通信ネットワークの故障検出の観点からアプローチを行い共通原理に関しての知見を得た.特に,通信ネットワークの故障検出からは,「アナログ型のグループテスト」がオンデマンド情報取得の共通原理となる示唆を得ている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究期間の中間地点にあたるが,「研究実績の概要」に示した2つの目標のうち,一つについては8割程度,もう一つについては3割程度まで研究が進展したため.
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」に示した2つの目標のうち,前者については,完成したプロトタイプの性能評価を行い,従来法に比べ10倍の性能を達成できることを確認する.また,成果を学術論文へ投稿する.後者については,いくつかの例で知見を得ることを目指しているが,それらをさらに推し進め,目標達成を目指す.
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Remarks |
・杉山大輝:計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2022 SSI優秀発表賞,コンセンサスネットワークにおけるフィードバック頂点集合の特徴付け,計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2022,11月,2022. ・武隈俊太郎,東俊一,有泉亮,浅井徹,“ホッピングローバーによるSLAMのための最適移動方法,” 2022年度SICE中部支部若手研究発表会,2022(優秀講演賞)
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