2021 Fiscal Year Annual Research Report
メガシティ広域街区の乱流・熱予報―地球から人間まで
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21H04573
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神田 学 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (90234161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
バルケズ アルビンCG 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (30754783)
稲垣 厚至 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (80515180)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 都市気象 / メガシティ / 乱流 / 熱 / 街区 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.グローバル都市気象解析 本年度は世界各都市における微気候の長期変化について、気候変動に加え、都市構造の変化(都市構造の成長、人工排熱の変化)を考慮した検討を行った。世界に点在する43のメガシティの現在と将来の都市気候変化について分析し、その結果、都市化による影響が気候変動起因の温暖化影響を助長していることを定量的に示した。また、地上気象観測と全球再解析データから都市の熱的解析性を分析する手法を検討し、本年度は気象庁の定点気象観測データとERA-5を用いて、日本の各都市における熱的快適性の評価を試みた。その結果、各都市の全体的な傾向として熱ストレスが増加している一方で、寒さによるストレス(厳しい寒さ)が増加した地域もあることを客観的な指標を用いて示した。以上の成果について、国際学会及び、インドネシアでの招待講演で発表した。 2.都市乱流解析と相似理論の検証 本年度は広域・高時空間解像度で都市街区を含む乱流境界層の数値シミュレーションを実施するための、地表面データ整備を行った。国交省が公開している東京都心部の建物高さ分布及び標高情報に加え、植生域、水辺、土地利用等について、AIを用いた衛星画像解析などにより作成した。都市域の高解像度の大規模計算を実施するためのテスト計算として、水平30km程度の長さを持った大規模な微気象計算の動作確認を行った。また、都市建物を陽的に解像した都市乱流境界層の数値シミュレーション結果を解析し、十分な長さの平均化時間を取ることで街区内の平均風速のみならず、乱流強度などの空間分布も、適切な速度スケールを用いて規格化することで、概ね建物形状のみで決まることを示した。その他に、ドローン搭載の気象観測システムを用いた観測を実施し、ドローンの航行と風速場の関係について分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り,世界各都市の微気候変化の解析方法開発,街区内都市微気象環境の物理特性の解析及び相似則の堅牢性についての分析と大規模計算に向けたデータの整備,上記結果の応用としてのドローン航行への風環境の影響評価などを実施できたため,概ね予定通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は(1)全球データベース(CMIP-6)と領域気象モデルを用いた,都市微気象環境へのダウンスケールの実施,(2)都市乱流境界層の大規模計算による,街区内風速環境データベースの作成と,(3)そのデータベースを活用した,街区内環境の診断(突風,熱負荷,その他工学的応用)を検討・実施する.
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Research Products
(8 results)