2021 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental Study on Cryogenic Fluid Management for the Design of Orbital Transfer Vehicles and Propellant Depot Systems
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21H04587
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
姫野 武洋 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60376506)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 液体ロケット / スロッシング / 極低温 / 液体水素 / 相変化 / 自由表面流 |
Outline of Annual Research Achievements |
極低温スロッシング実験については、既存の並進加振機と真空断熱槽および高速度カメラを用いた実験に加え、回転加振機を一部改修のうえ新規導入した。部品資材の調達が困難なため、納品を2022年度に繰り越したが、研究目的を達成するために適切な性能を有する環境を構築できた。また、再現性のある圧力変化データを取得する手法を確立した。 大型液体水素タンク減圧実験については、能代ロケット実験場の既設30立方メートルタンクを使用した実験を実施した。インターネット経由(VPN接続)で、申請者の研究室(東京大学)と能代ロケット実験場を通信し、計測データを常時遠隔監視できる体制を構築した。 沸騰二相流実験については、透明沸騰電熱管を用いた実験装置を製作し、体積流量や気液質量流量比(クオリティ)に応じた管路圧損の変化を適切に取得することを試みた。より再現性のあるデータ取得のための課題と装置改良の指針が得られた。 自由表面流の数値解析については、大型計算機上で並列化効率を高めた大規模計算を実行できるように計算プログラムを改修した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた回転加振機の改修が資材調達の困難のために遅れたものの、その後の実験手順確立は予定以上に順調に遂行できた結果、相変化を伴うスロッシング現象の初期条件を再現性良く設定することができた。その他、沸騰管内現象、大型タンクを用いた液体水素減圧沸騰現象の実験も、所期の実験データを取得できた。数値解析については、質量保存を良好に満足する沸騰モデルの構築に課題が残る。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に構築した実験手法に基づき、各種実験のパラメトリックスタディを進める。数値解析につしては、自由表面流の数値解法と親和性の高い沸騰モデルの考案に取り組む。
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