2022 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of fundamental properties of intermetallic compounds for novel interconnection materials
Project/Area Number |
21H04605
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小池 淳一 東北大学, 工学研究科, 教授 (10261588)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 半導体デバイス / 多層配線 / 金属間化合物 / バリア層 / 信頼性 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属間化合物をLSI多層配線へ応用することを想定して、SiO2絶縁層とNiAl、CuAl2、Cu2Mg薄膜との界面反応を調査した。真空雰囲気において400℃、30分の熱処理を行い、断面TEM観察を実施した。その結果、Alを含むNiAlとCuAl2においては界面に2nm以下の厚さを有するAl酸化物層が形成されていた。一方で、Cu2Mg薄膜の場合は、MgがSiO2を還元してSiO2層内部にMgOの微粒子からなる反応層を形成した。Al酸化物層は2nm以下で成長が止まり、相互拡散を防止する役割を担っていたが、MgOの場合は継続的に成長することが明らかになった。このことは、400℃程度の低温における酸化物形成機構が電界促進成長によるものであり、Al酸化物層に形成される電界強度がMgOに比べて非常に弱いことと一致した。 BTS試験の結果は、界面反応層の形成状況と一致し、NiAl、CuAl2が長寿命であり、Cu2Mgは早期の特性劣化が観察された。 電気抵抗率の膜厚依存性を測定すると、NiAlとCuAl2は膜厚が5nmになると抵抗率が50μΩ-㎝まで上昇するが、CU2Mgは20μΩ-cmに留まっており、界面反応の進行を抑制することができればCu2Mgは非常に有望な材料であることが判明した。得られた抵抗率の膜厚依存性を表面・界面散乱と粒界散乱のモデルから解析したところ、表面・界面は弾性的散乱に近く、粒界散乱は殆ど生じていないことが示唆された。Cu2Mgが特殊な表面・界面および粒界構造を有することが考えられ、Cu2Mgのバルク構造であるC15Laves相の構造的特徴との関連性を解明することで他のLaves相材料への展開が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
年度当初に計画した化合物の界面反応とBTS信頼性試験に加えて、抵抗率の膜厚依存性からCu2MgおよびLaves相の配線材料としての可能性を見出し、ここで得られる成果が多くの金属間化合物に適用できる可能性を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
エレクトロマイグレーション(EM)信頼性に関して、既に金属間化合物で初めての成果を報告している。今後は、これまでの純金属のEMに関する知見を超えた、化合物特有の新しいEM機構の解明を目指した研究を継続する。 さらに、Cu2Mgの表面と粒界の構造を調査し、抵抗率の膜厚依存性との関連の有無を明らかにする。関連性があった場合は、国際共同研究によって電子の表面散乱と粒界散乱の第一原理計算を実施し、10nm以下の薄膜において低抵抗を維持できる原因を明らかにする。また、得られる結果をもとにLaves相一般において同様のことが成立するかを調査し、金属間化合物の代表的な構造であるLaves相材料の電気伝導機構を根本的に理解し、微細配線への応用に資する。
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Research Products
(7 results)