2022 Fiscal Year Annual Research Report
次世代燃料電池ITFCを実現する電極反応の全貌解明とその高速化
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21H04607
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小俣 孝久 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80267640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 智大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (30760194)
鈴木 一誓 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (60821717)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | 混合伝導体 / プロトン伝導体 / 燃料電池 / 空気極材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
各種評価の信頼性向上のため、ガラス電解質上へのWO3薄膜の堆積方法を検討し、その方法を確立した。クロノアンペロメトリー測定の結果、焼結体で生じるWO3/電解質界面のプロトン拡散の阻害層が薄膜では生じず、清浄面の接合によりプロトン移動のスムーズなWO3/電解質界面となることを明らかとした。 (1)気体分子の吸着および解離現象の巨視的な評価解析 (1-a) 昇温脱離分析による吸着気体の定性および定量分析:各種面積のWO3薄膜を用意し、昇温脱離ガス分析の条件を検討し、その方法を決定した。Ca-doped WO3の薄膜試料の作製条件を検討した。(1-b) 水素および酸素の表面交換反応速度の評価・解析: 薄膜での水素の深さプロファイルの評価に必要な膜厚を検討した。(1-c) インピーダンス解析による電極抵抗の評価・解析:WO3薄膜を電解質ガラス上に成膜する方法を確立し、WO3薄膜のプロトン伝導度を明らかにした。その結果、WO3薄膜/電解質ガラス界面にはプロトン輸送を妨げる界面層が生じず、良好にプロトンが輸送されることを明らかとした。 (2)気体分子の吸着および解離現象の微視的な評価解析 (2-a) ラマン分光法による吸着酸素とWO3酸化物表面の化学状態解析:雰囲気調整加熱ステージを使用して薄膜での吸着酸素の検出を試みた。(2-b) X線光電子分光法による吸着気体分子と電極材料の電子状態の評価解析: WO3薄膜での電子状態評価の可否を検討し、薄膜でもバルクと同様な情報の取得が可能であることを明らかとした。 (3)電極反応を高速化する新たな混合伝導体材料の探索:WO3での知見に基づき、新たなプロトン-n型電子混合伝導体の探索を開始に着手した。いくつかのn型酸化物半導体で、水素の溶解、溶解した水素のイオン化による電子キャリアと格子間プロトンの生成、結晶中でのプロトンの拡散の観測に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
吸着酸素の評価については進んでいない部分もあるが、WO3薄膜を使用することでプロトン移動を阻害しないWO3/電解質界面が作製できることを明らかにできた。これにより、吸着酸素評価にどのような試料を供すればよいかが明確になり、以降の研究の進捗が加速することが可能となった。 さらに、本年度着手したプロトン-n型電子混合伝導体の探索において、取り組み初年度であるにもかかわらず、2つの物質を見出すことに成功しており、当初の計画を大きく超える成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で焼結体試料では正確で信頼できる評価ができないことが明らかとなったので、これを踏まえ最終年度では焼結体や粉末試料ではなく薄膜試料を使用する。燃料電池特性を含む各種の評価を計画通りに進めるとともに、本年度見出された新たなプロトン-n型電子混合伝導体のプロトン伝導度評価、それら新物質の特徴を踏まえ、よりプロトン伝導度の高い新物質の探索にも力点を置き研究を進める。
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Research Products
(6 results)