2021 Fiscal Year Annual Research Report
New concept for crystal growth of nitride semiconductors using extended degree of freedom
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21H04609
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福山 博之 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40252259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 誠 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (30241582)
中村 哲也 東北大学, 国際放射光イノベーション・スマート研究センター, 教授 (70311355)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 結晶成長 / 窒化物半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
①その場観察による最適条件の探索 Ni-Al系およびFe-Al系フラックス融体を電磁浮遊装置内で浮遊させて一定温度に保持した後、窒素ガスを吹き付けてAlN結晶をフラックス表面で生じさせ、成長の様子を高速度カメラでその場観察した。このような結晶成長のその場観察実験を温度、窒素分圧、フラックス組成をパラメータとして繰り返し、高速度カメラによって得られた連続画像について画像解析を行い、AlN結晶の核生成速度や成長速度の定量的解析を行った。 ②フラックス法によるバルクAlN結晶成長実験 本年度は、その場観察結果に基づいて、Ni-Al系およびFe-Al系フラックスを用いたバルクのAlN結晶についてサイクル成長法を実施し、結晶成長挙動の基礎データを蓄積した。サイクル成長法では、(窒素溶解⇒平衡⇒AlN成長)の工程を繰り返して、AlN成長を行った。種結晶には、サファイア基板上に製膜したAlN膜および昇華法で作製したAlN単結晶を用いて結晶成長実験を行った。結晶成長終了後、得られたAlN結晶の評価を行い、成長速度、結晶性、不純物濃度、成長界面および表面・断面性状等の評価を行った。 ③結晶成長プロセスシミュレーション 本年度は、当研究室で開発してきた超高温熱物性計測システムを用いて、Ni-Al系フラックス内の熱・流動解析に必要な熱物性の測定を行った。超高温熱物性計測システムでは、静磁場を印加した電磁浮遊法により、フラックス液滴の振動を抑制し、液滴の形状を高速度カメラで取得して、密度測定を行った。液滴からの輻射輝度を測定し、放射率を得た。液滴にレーザー周期加熱カロリメトリーを行い、熱容量および熱伝導率を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画に掲げた3つの研究項目:①その場観察による最適条件の探索、②バルクAlN結晶成長実験、③結晶成長プロセスシミュレーション、がほぼ予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
フラックス法によるバルクAlN結晶成長実験 Ni-Al系およびFe-Al系フラックス融体を用いてAlN結晶成長実験を行ない、それぞれのフラックスの特徴を把握し、最終的に成長用フラックスとして優れている方を選択する。また、結晶成長に必要な坩堝材料および成長用の種結晶についても種々検討する。フラックスの選定が終了した後、サイクル成長法の各工程(窒素溶解⇒平衡⇒AlN成長)の最適化を実施する。サイクル成長法では、坩堝全体の温度を制御すればいいので、精密な温度分布を制御する必要はないが、時間のロスが生じる。この時間的ロスを解消するために、連続成長法を検討する。連続成長法では、フラックス内に定常的な温度勾配を設けて、低温部に種結晶を浸漬させ、成長させる。種結晶には、まず、サファイア基板上に製膜したAlN膜を使用し、成長挙動の基礎的な知見を得た後、バルクAlN単結晶を用いた結晶成長実験を行う。結晶成長終了後、得られたAlN結晶の評価を行い、成長速度、結晶性、不純物濃度、界面および表面性状等の評価を行う。 結晶構造評価 作製したAlN結晶について放射光X線による結晶性評価を行う。結晶が高品質であるほど、結晶欠陥、特に転位を広い面積にわたり非破壊で評価することが困難である。このため、放射光X線トポグラフィー法による転位密度と分布の解析、および、X線回折法による歪み評価により、結晶成長プロセスと結晶の質に関する相関を明らかにする。本研究では、SPring-8が所有するX線トポグラフィー測定装置およびX線回折装置を使用する予定である。
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