2021 Fiscal Year Annual Research Report
Establish a Strategy to Utilize "Membrane Platform" for Expanding the World of Bio-Inspired Chemical Engineering
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21H04628
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬越 大 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20311772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 恵嗣 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00709800)
渡邉 望美 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40892683)
塩盛 弘一郎 宮崎大学, 工学部, 教授 (80235506)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | Bio-Inspired / 化学工学 / 自己組織系 / リポソーム / 界面現象 / DDS / キラル / Cryoポリマー粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は、従来の化学プロセスで活用される「異相系」の界面を、分子が秩序高く配向する「自己組織系」に置き換えることにより、エンタルピー駆動型プロセスをエントロピー駆動型プロセスに変革することを大目的とする。2021年度は、(i)「自己組織系」界面の物性評価、ならびに、(ii)「固液系-自己組織系融合材料」の開発に特に重点を置いて、検討を進めた。前者については、新規な蛍光プローブ(Pyrene誘導体)の開発(原著論文)、ならびに、時間分解蛍光スペクトル解析手法(TRES)の開発(投稿予定中)について検討し、2022年度以降の固液-自己組織系融合材料の新規なツールとして有効であることを明らかにした。後者の(ii)については、2種類の担体を対象にして、検討した。一つは、Cubosomalゲルである。Cubosomalゲルの表層を各種両親媒性界面活性剤(ハイドロコルチゾン、カチオン性界面活性剤ほか)で修飾することに成功した。もう一つは、高分子担体である。既存の高分子粒子の場合、固液界面が制御できないため、新規に多孔性高分子担体を調製する方法を確立した(逆ライデンフロスト-Cryo高分子化法)。その結果、親水性、疎水性の表面特性に関わらず、同様の物性(メソ-マクロ孔、柔軟性、可逆性、ほか)を有するポリマー粒子を合成することに世界で初めて成功した。現在、リン脂質2分子膜を被覆して、(i)の方法で物性解析を検討しているところである。予定通り、研究が進捗しているが、副産物として、予期せず、新規な手法を確立することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画に記載した、(i)自己組織系界面の解析手法の確立、および、(ii)固液系-自己組織系融合担体の調製方法の確立、いずれも、順調に研究データを取得している。学術論文の公表までには至っていないが、特に、後者の知見(多孔性高分子担体)は、学術的にもインパクトのある成果であることを確信している(現在、最終稿を執筆中)。当初想定の応用は勿論、異なる分野へのお応用も期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では、特に問題は発生しておらず、当初予定通り、研究計画を推進する。実際に、固液系-自己組織系融合材料を、既存手法、また、新規開発手法を用いて、物性解析する際に、測定法のミスマッチが生じる可能性もあるが、プローブ分子のナノ局在化手法やスペクトルデコンボリューション法を活用して、問題解決できると思われる。2021年度で得られた材料は、計画当初の想定を上回るパフォーマンスを示す可能性があるため、特定ケーススタディとして、重点的な検討を予定している。しかしながら、客観的な視点・思考を忘れずに、着実にデータ取得に専念したい。
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