2021 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル検出技術を基盤としたウイルスの新規感染診断法の開発
Project/Area Number |
21H04645
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
渡邉 力也 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (30540108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西増 弘志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00467044)
野田 岳志 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (00422410)
武内 寛明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (20451867)
|
Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
|
Keywords | 1分子生物物理学 / bioMEMS / CRISPR-Cas |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の世界的な流行に伴い、汎用的なウイルス感染診断法の確立が急務とされている。従来の感染診断では、ウイルス由来のRNAやDNAをPCRなどで増幅し検出する方法と併せて、タンパク質抗原を抗体反応により検出する方法が主流であったが、それらは一般的に、感度・精度・計測時間の何れかにおいて技術的な欠点を内在しており、大量の検体を高効率・高感度・高精度に解析し、感染診断につなげることが困難な状況にあった。この現状を打破すべく、本研究では、独自の生体分子のデジタル検出技術に、核酸検出酵素であるCRISPR-Cas13aを実装することで、ウイルス由来のRNAを1分子単位で高感度・高精度・短時間に解析できる新規技術の開発を目的としている。
今年度は、1)自動分注装置と蛍光顕微鏡を組み合わせた全自動検出装置の開発、2) 新種のCas13a(LtrCas13a)を核酸検出へ応用、3)磁気ビーズを用いた濃縮法の開発により、RT-qPCRと同等かそれ以上の感度でかつ9分以内にSARS-CoV-2を全自動検出できる新規技術の確立に成功した。また、Cas13aによる核酸検出の鍵であるガイドRNAの配列最適化により、変異株に特徴的な1塩基変異を識別して、検出することが可能となり、ひいては、alpha, beta, delta, omicron株などの変異株の迅速判定も可能となった。更に、臨床検体を用いた実証実験を行い、陽性判定、変異株判定ともに98%以上の正解率を達成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標であった、1)SARS-CoV-2由来のウイルスRNAの高感度・迅速検出技術の開発、2)1塩基変異の検出による変異株判定技術の開発の両方を達成することができたため、本年度の研究はおおむね順調に進展したと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、デジタル検出技術の高度化を目指すとともに、周辺の技術開発も併せて行いたいと考えている。
|
Research Products
(14 results)
-
[Journal Article] Amplification-free RNA detection with CRISPR-Cas132021
Author(s)
Shinoda, H., Taguchi, Y., Nakagawa, R., Makino, A., Okazaki, S., Nakano, M., Muramoto, Y., Takahashi, C., Takahashi, I., Ando, J., Noda,T., Nureki, O., Nishimasu, H., & Watanabe, R.
-
Journal Title
Communications Biology
Volume: N/D
Pages: N/D
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-