2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of functional fluorescent probe for imaging osteocyte function and 4D nucleomics
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21H04706
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊地 和也 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70292951)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | 化学プローブ / 蛍光イメージング / タンパク質ラベル化 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では機能性蛍光プローブをデザイン・合成し、生きた状態の細胞が有する生理機能の直接計測を行った。具体的には、骨細胞機能を明らかにする二光子励起in vivoイメージングプローブの開発と、蛋白質の機能性分子ラベル化技術の開発によるゲノム動態可視化及びオルガネラ熟成時の局所pH計測プローブを行った。 in vivoイメージングプローブ:前年度までに蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に基づいた蛍光波長がシフトする色素の合成ができていたため、骨組織標的部位であるビスフォスフォネート基を連結したレシオ型蛍光プローブの合成を進めた。精製法を検討し目的とするプローブを得ることができた。プローブを用いてpH応答性を評価したところ、pH4から5の範囲で蛍光強度比の大きな変化が観測された。次に骨の成分に類似したヒドロキシアパタイト粒子に吸着したプローブの二光子励起イメージングを行った。各pHにおける観察結果から、粒子表面に吸着したプローブのドナー色素側、アクセプター色素側の蛍光シグナルがpHにより変化しており、蛍光シグナルの比を取ることでプローブの局在の差によらずpHの計測ができることを示した。一方で、より中性付近のpHが計測できるプローブの開発のため、アクセプター側の色素を検討し直したプローブ合成に着手した。 蛋白質機能性分子ラベル化技術:前年度新たに見出したPYPタグリガンドを用い、各種蛍光色素を連結させたラベル化プローブを合成した。これらのプローブは緑、オレンジ、赤、近赤外領域にそれぞれ蛍光波長を有し、マルチカラーイメージングへの展開が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨溶解時の酸性pHに応答するレシオ型pH応答性蛍光プローブ、新たなリガンド構造により安定な蛋白質複合体を形成し、蛍光標識が可能なラベル化プローブの開発に至った。これらは目的とする細胞機能を可視化するために適した特性を有しており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまでに開発したプローブを用いて細胞、生体イメージングへ応用し細胞機能を生きた状態で解析する。in vivoイメージングにおいては、マウスへのプローブ投与を行い、二光子励起顕微鏡で骨組織をイメージングする。投与、イメージング条件について検討する。FRET型であるため、ドナー側、アクセプター側のどちらかの蛍光シグナルが見えていると考えられ、各蛍光シグナルの位置情報、時間情報を得ることで、pHのマッピングを行う。蛋白質ラベル化技術については、これまでに得られたプローブを用いて膜蛋白質の局在変化や細胞内蛋白質の周辺環境変化のイメージングを行う。
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Research Products
(7 results)