2023 Fiscal Year Annual Research Report
Why can microorganisms withstand drying? Elucidation of drying adaptation mechanism by glass transition of microbial cells
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21H04710
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小関 成樹 北海道大学, 農学研究院, 教授 (70414498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 清司 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (00454140)
中川 洋 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (20379598)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | ガラス転移 / 水分活性 / 乾燥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、細菌(Cronobacter sakazakii)-溶質(グリセロールおよびグルコース)系の機械的ガラス転移と動的転移を調べた。溶質(グリセロールとグルコース)系の力学的ガラス転移と力学的転移を調べた。力学的緩和に対する水分活性(aw)の影響から、25°C(グリセロールおよびグルコース)において力学的ガラス転移が起こるawを0.225と決定した。 グリセロール添加試料では0.225、グルコース添加試料では0.540であった。これらの値は、以前に報告された無添加試料の値(0.667)よりも低い値であった。原子の平均二乗変位に対する温度の影響非干渉性中性子弾性散乱によって調べた。動的遷移が起こる温度25°Cで動的転移が起こるawは、グリセロール添加試料で0.156、グルコース添加試料で0.475であった。であった。これらの値は、以前に報告された無添加試料の値(0.675)よりも低かった。Couchman-Karaszモデルによると、添加剤によって可塑化された細菌のガラス転移温度とバルク添加剤のガラス転移温度が得られた。従来明らかになっていなかった、乾燥過程における溶質の影響を明らかにしたもので、ガラス転移温度と水分活性を指標として、微生物の生存特性を予測しうるものであり、基礎的にも実用的にも重要な知見である。 また、乾燥過程におけるガラス転移温度と保存温度との差から、乾燥菌体の死滅を予測可能とする新たな数理モデルを構築することに成功し、食中毒細菌の制御だけでなく、有用細菌の保護的な長期保存を予測可能とする知見を得た。さらに、乾燥に伴う代謝の変化をメタボローム解析によって網羅的に解析することにより、乾燥過程で生じる生理的な変化の一端を明らかにするとともに、乾燥過程での代謝活性の変化についても一定の知見を得ることができた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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