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2021 Fiscal Year Annual Research Report

Elucidation of the mechanism of waterlogging tolerance in genus Zea and its application to molecular breeding

Research Project

Project/Area Number 21H04724
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

中園 幹生  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (70282697)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 間野 吉郎  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, グループ長 (20355126)
村瀬 潤  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30285241)
高橋 秀和  福島大学, 食農学類, 准教授 (00325937)
Project Period (FY) 2021-04-05 – 2025-03-31
Keywordsトウモロコシ / テオシント / 耐湿性遺伝子 / 根圏微生物叢 / マッピング
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、耐湿性の高いZea nicaraguensis(ニカラグアテオシント)の持つ酸素漏出(ROL)バリア形成と地表根形成の制御機構を解明するとともに、還元耐性に寄与する責任遺伝子の同定と根圏微生物叢との関係性の解析を行うことで、ニカラグアテオシントの耐湿性獲得機構の全容を明らかにする。さらに、これらの耐湿性遺伝子を全て集積した系統を作出し、耐湿性を強化したトウモロコシの品種育成を推進することを本研究の目的とする。令和3年度は、ROLバリア形成制御遺伝子であるRBF1/Qarf3.04によるROLバリア形成制御機構を解明するために、RBF1/Qarf3.04を導入した準同質遺伝子系統と対照系統のROLバリア形成部位である根の外層をレーザーマイクロダイセクション(LM)で単離し、RNA抽出後、RNA-Seqを実施した。また、ニカラグアテオシントと、還元耐性の低いテオシントZea luxuriansを交雑したF2集団を用いて、還元耐性遺伝子Qft-rd4.07-4.11のラフマッピングを試みた。さらに、ニカラグアテオシントとトウモロコシのゲノム配列を解読し、Qft-rd9.01-9.04領域近傍のSNPs情報を取得した。ニカラグアテオシントの還元耐性遺伝子を導入したトウモロコシ系統とその対照系統、ニカラグアテオシント、トウモロコシを材料に用いて、根の表面付近に分布している根圏微生物叢の調査を試みた。3つの耐湿性QTLを持つ系統「#162-181」に第7染色体の地表根遺伝子(Qarf7.04)と第9染色体の還元耐性遺伝子(Qft-rd9.01-9.04)の2つを集積したF1を作出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

以下の通り、本研究は概ね順調に進行している。
RBF1/Qarf3.04を導入した準同質遺伝子系統と対照系統の根の外層をLMで単離し、RNA-Seqを実施した結果、多くのリグニン生合成関連遺伝子やスベリン生合成関連遺伝子が同定された。ROLバリア形成過程で根の外層でリグニンやスベリンが高蓄積しているかどうかを確認するために、染色実験を行ったところ、ROLバリアが形成されている根の外層でリグニンやスベリンが蓄積していた。さらに具体的な構成成分を明らかにするために、GC-MSによる分析が必要であると考えられた。
また、ニカラグアテオシントと、還元耐性の低いテオシントZea luxuriansを交雑したF2集団を用いて、還元耐性遺伝子Qft-rd4.07-4.11のラフマッピングを試みたがQTLのピークは見られず、Zea luxuriansの耐湿性が低い原因はQft-rd4.07-4.11以外の遺伝要因であると考えられた。さらに、ニカラグアテオシントとトウモロコシのゲノム配列を解読し、Qft-rd9.01-9.04領域近傍のSNPs情報を取得し、現在解析を進めているところである。
ニカラグアテオシントの還元耐性遺伝子を導入したトウモロコシ系統とその対照系統、ニカラグアテオシント、トウモロコシを材料に用いて、デンプン添加により還元化した湛水土壌で生育させ、根圏微生物が付着した根を単離して、DNAを抽出し、原核生物の16S rRNA遺伝子をターゲットにしたアンプリコンシークエンスを行った。
5つの耐湿性遺伝子を集積した系統の作出については、第1、第4,および第5染色体の3つの耐湿性遺伝子を持つ系統「#162-181」と第9染色体の耐湿性遺伝子を持つ「IL#39」を交配したF1を作成し、さらに第7染色体の耐湿性遺伝子を持つ「IL#32」と前述のF1を交配した雑種(「IL#32」×(「#162-181」×「IL#39」))を得た。

Strategy for Future Research Activity

今後、以下の研究を推進予定である。
(1)RBF1/Qarf3.04のターゲット遺伝子を同定するために、RBF1/Qarf3.04を導入したNILとネガティブコントロールの系統を材料に用いる。根端部を、レーザーマイクロダイセクションで単離し、網羅的発現解析(RNA-Seq)を実施し、根端部におけるRBF1/Qarf3.04のターゲット遺伝子を同定する。
(2)ニカラグアテオシントの第9染色体短腕に見出された還元耐性に関するQTL(Qft-rd9.01-9.04)の領域で組換えを起こした系統のシリーズが得られている。これらのシリーズについてトウモロコシSNPタイピング解析を行い、候補領域近傍のSNPs情報を利用して、Qft-rd9.01-9.04のファインマッピングを行う。
(3)アンプリコンシークエンスのデータをもとにPICRUStを用いた根圏微生物叢の予測メタゲノム解析を実施し、還元耐性の高い系統の湛水土壌の根圏微生物叢が保持する機能遺伝子の特徴を推定する。
(4)5つの耐湿性遺伝子を交雑により集積した高耐湿性のトウモロコシ系統を作出するために、前年度得られた3つのQTLを持つ系統「#162-181」に第7染色体と第9染色体の2つのQTLを付与したF2集団を養成すると共に、QTLを固定させるためのマーカー選抜に着手する。

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Published: 2023-12-25  

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