2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a new production area and collaborative system for food and agriculture based on a review of 10 years of countermeasures against radioactive contamination
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21H04743
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
生源寺 眞一 福島大学, 食農学類, 客員教授 (40196580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 良太 福島大学, 食農学類, 教授 (60400587)
申 文浩 福島大学, 食農学類, 教授 (50710216)
原田 茂樹 福島大学, 食農学類, 教授 (30238183)
二瓶 直登 福島大学, 食農学類, 教授 (50504065)
牧 雅康 福島大学, 食農学類, 教授 (50375391)
石井 秀樹 福島大学, 食農学類, 准教授 (70613230)
高田 大輔 福島大学, 食農学類, 准教授 (80456178)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 原子力災害 / 風評被害 / 営農再開 / 新たな産地形成 / 放射能汚染 / 帰還困難区域 |
Outline of Annual Research Achievements |
森林の放射線環境把握のため、2013年より継続している福島県・宮城県境の定点での空間線量率計測に加え、県境森林部の複数地点でのコアサンプリングと空間線量率マッピングを行い、空間線量率の低下があるものの震災以来放置されている地表面下での高Cs濃度層を確認した。その高濃度層の減量・低濃度化のための湿式酸化法高度化、地表面下汚染土壌層濃度から空間線量率空間分布を予測する三次元モンテカルロ粒子法モデル(Phits)による全反射計算を行った。 福島県が原発事故直後から実施しているモニタリング検査データを作物別に整理した。また、作物のセシウム吸収の経年変化を把握するため、調査対象を決めてセシウム濃度を測定した。さらに、作物中のセシウム挙動を把握するため、セシウムと他元素濃度を部位別に測定した。 原発事故に由来する放射性セシウムの濃度をモモの栽培ステージごとに測定したデータ群に関して、経年的な変化を明らかとした。これまでの調査と比較して、果実内の放射性セシウム濃度は、概ね低下の下限となっており、自然減衰を加味した上での果実の濃度は、この4年程度横ばいとなっている。この成果を取りまとめ、出版物の作成を行った。 原発事故後の福島県浜通りの営農再開に関して文献や統計データの分析を行った。その結果、帰還困難区域においては、区域内の山地や放棄農地において太陽光発電施設への転地が進んでおり、浜通りの土地利用において太陽光発電施設は無視できない要因であることが確認できた。 福島県産農林水産物の風評被害状況に関して、国内外に分け、各国の消費者意向、小売業、流通業、生産組織、支援制度の実態調査を行い、新しい生産構造と生産・流通システム構築の課題を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2022年度の海外の現地調査研究が一部できなかった。したがって、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
テーマ①土壌中放射性物質、移行メカニズムの総括:農業生産に関わる環境内での放射性物質の所在や循環に関する学術研究や報告書を収集し、その知見を整理するとともに、福島原発事故後、生産環境の放射能汚染がどのように把握されてきたのか「環境モニタリング」の実態を調べる。 テーマ②試験栽培の総括(水田、果樹、園芸):生産者毎の営農情報の管理、農地汚染度別の作物汚染分布の把握、放射性セシウムが検出された圃場の地理的分布や生産条件の特定、全量全袋検査の結果を用いた高リスク圃場の特定、などについて検証する。 テーマ③放射性物質検査体制の総括:食品中放射性物質検査機関の連携について機能分担関係を整理するとともに、これまでの成果を輸入制限が継続している東アジアで発表し、放射能汚染対策の専門チームと協議する。作物移行率データを基に、食品検査体制と認証制度に関して、国内外の調査を実施する。 テーマ④風評被害問題の総括:福島県産農林水産物の風評被害状況に関して、国内外に分け、各国の消費者意向、小売業、流通業、生産組織、支援制度のどの段階に問題が残存しているのか、風評ではなく市場構造の変化と固定化に課題があるのではないかという仮説に基づき、実態調査を行う。
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[Book] 園芸学第2版2023
Author(s)
高田大輔(金山喜則編)
Total Pages
307
Publisher
文永堂出版
ISBN
978-4-8300-4144-0
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