2023 Fiscal Year Annual Research Report
経験依存的な性指向性決定機構のショウジョウバエモデルでの解析
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21H04790
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
山元 大輔 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 室長 (50318812)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | 本能行動 / 神経可塑性 / fruitless遺伝子 / Drosophila / 社会経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
キイロショウジョウバエの突然変異体、satoriは、ニューロンの雄化因子を産生するfruitless遺伝子の機能喪失により、雄が同性愛行動を示すことから発見された。satori変異体雄の同性に対する求愛は、成虫羽化後に隔離して社会経験を剥奪することによって顕著に抑制される。一方、野生型成虫の雄では、羽化後の隔離によって雌に対する求愛活性が亢進するが、雄に対しての求愛が誘導されることはない。本研究では、この様な経験依存的な本能行動の修飾の分子細胞機構を解析した。まず、in vivo whole cell patch clamp法による電気生理学的解析を、雄の求愛を開始させるP1ニューロンを対象として実施した。その結果、野生型の雄では、集団生活の経験によって特定の電位依存性K+電流の増強が起こり、逆に社会経験剥奪はそれを抑制した。これに対してsatoriをはじめ、fruitless変異体のオスでは、集団生活によってK+電流は抑制され、隔離によって増強された。最も顕著な変化を示したのはSh遺伝子産物が媒介する一過性K+電流であった。 続く分子レベルでの解析では、翻訳されつつあるmRNAをSTRAPと呼ぶ新手法で濃縮してRNA-seqを行った。STRAP法では、mRNAをタグ標識したリボゾームタンパク質を用いて免疫沈降する。そのリボゾームタンパク質はP1を含む約100個のニューロンにGAL4-UASシステムにより限定して発現させる。こうしてP1をターゲットとしたRNA-seqによって、社会経験依存的に転写・翻訳が上昇または減少するdifferentilly expressed genes(DEG)を特定した。その中にはSh遺伝子やそのパートナータンパク質が含まれており、その詳細な解析によって本能行動の経験による変容の分子基盤の核心部が明らかになるものと期待している。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Exposure to therapeutic BTK inhibitors induces phenocopying of Btk29A mutants in the fruit fly Drosophila melanogaster2023
Author(s)
Hamada-Kawaguchi, N., Nore, B. F., Zain, R., Engstroem, Y., Smith, C. I. E., Yamamoto, D.
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Journal Title
Frontiers in Bioscience-Landmark
Volume: 28
Pages: ー
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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