• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Annual Research Report

The role of post-proteolytic aminopeptidases in skeletal muscle homeostasis

Research Project

Project/Area Number 21H04857
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

永富 良一  東北大学, 医工学研究科, 教授 (20208028)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村山 和隆  東北大学, 医工学研究科, 准教授 (40400452)
神崎 展  東北大学, 医工学研究科, 教授 (10272262)
鈴木 直輝  東北大学, 大学病院, 助教 (70451599)
長名 シオン  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特別研究員 (60868131)
Project Period (FY) 2021-04-05 – 2024-03-31
Keywords骨格筋 / タンパク分解 / アミノペプチダーゼ / 分化 / オリゴペプチド
Outline of Annual Research Achievements

1.培養筋芽細胞C2C12の増殖時および分化誘導時における各種アミノペプチダーゼと関連する筋芽細胞増殖および分化に関連する転写調節因子の網羅的解析をまとめた。アラニンアミノペプチダーゼおよびピューロマイシン感受性アミノペプチダーゼが筋芽細胞の円滑な分化や形態形成に必要である一方、ロイシンアミノペプチダーゼは筋芽細胞の分化を抑制していることが明らかになった。着目した3つのアミノペプチダーゼはプロテアソームの活動と連動して転写が亢進し酵素タンパクが誘導される。これらのアミノペプチダーゼが分解されたオリゴペプチドのプロファイルにより柔軟に筋芽細胞の運命決定を行っていることが示唆された。LAP3に着目した成果をまとめた原著論文を国際誌に投稿中である(長名・永富・村山)。
2.昨年度作出したLAP3ノックアウトマウス(LAP3KO)は第5世代まで繁殖させることに成功した。LAP3は骨格筋以外の臓器においても発現が低下しているが、表現型への影響を検討中である。LAP3KOの雌性マウスは個体の成長が遅く、特に体重当の筋重量で評価すると腓腹筋の成長が進まないことがわかった。各臓器重量はKOで小さい傾向にあったが、体重当の臓器重量にKOおよび野生型との統計的に有意な差はみられなかった。また雄性マウスでは筋特異的な成長遅延は認められなかった。雌性KOマウスではユビキチンプロテアソーム経路構成要素の発現が野生型に比べ低下しており、LAP3が骨格筋の適切なタンパク分解に寄与している可能性が示唆されている(長名・鈴木)。
3.細胞内ライブイメージングでは、LAP3がダイナミックな細胞内局在変化を起こしていることも明らかになっており、現在局在に関連する調節経路の同定を行っている(神崎)。
4. プロテアソームで分解されたタンパク質由来のアミノ酸が新規タンパク質合成にほとんど利用されていないことを明らかにした結果をまとめた論文を国際誌に投稿して採択・掲載された(BBRC)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

培養細胞系においては、筋芽細胞分化誘導時に転写が誘導されるアミノペプチダーゼ全ての評価が終わった。ほとんどのアミノペプチダーゼがノックダウンにより筋分化になんらかの障害ももたらすのに対して、ノックアウトマウスを作成したロイシンアミノペプチダーゼのみ、ノックダウンにより筋分化が促進する結果が得られた。ロイシンアミノペプチダーゼを標的にした遺伝子改変マウスを作成したことの妥当性が確認されるに至った。ロイシンアミノペプチダーゼのノックアウトマウスには体重増加の明確な遅延が認めらている。当初分化促進により筋の異常発育がみられる可能性も考えていたが、むしろ十分に筋芽細胞が増殖しないまま筋分化が進行してしまう可能性が考えられている。ノックアウトマウスはが順調に繁殖しており最終年度に向けた準備が順調に進んだ。
培養細胞系ではロイシンアミノペプチダーゼの過剰発現系の評価も行ったが、予想に反して筋分化抑制がみられなかった。実験系の問題なのか、本質的な問題なのかを最終年度に確認することになった。
またこれまでの成果を論文にまとめ一報は採択掲載された(BBRC)。さらにこれまでの培養系の成果全体をまとめロイシンアミノペプチダーゼがとりわけ重要であることを指摘した論文は同様に国際誌に投稿し、現在リバイスを求められている。

Strategy for Future Research Activity

ロイシンアミノペプチダーゼのノックアウトマウスの解析を進め、体重増加遅延の要因を検討する。骨格筋の成長遅延は全体的にみられ、腓腹筋などの混合型の抗重力筋は特に成長が遅延していることから腓腹筋あるいは速筋線維に着目した解析を進める。当初筋分化促進により筋の異常発育がみられる可能性も考えていたが、むしろ十分に筋芽細胞が増殖しないまま筋分化が進行してしまう可能性が考えられている。最終年度は筋損傷からの筋再生の解析を行いロイシンアミノペプチダーゼの役割をさらに明確にしていく予定である。またロイシンアミノペプチダーゼの増減により、基質を提供する上流のユビキチン・プロテアソーム系、細胞内のオリゴペプチドやアミノ酸の分布、分化制御経路、アミノペプチダーゼおよびその下流の転写調節因子とその細胞内局在に着目した解析を通じて、post-proteolytic pathwayが骨格筋の恒常性維持に果たす役割の全体像に迫っていく予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Little involvement of recycled-amino acids from proteasomal proteolysis in de novo protein synthesis2022

    • Author(s)
      Osana Shion、Kitajima Yasuo、Naoki Suzuki、Takada Hiroaki、Murayama Kazutaka、Kano Yutaka、Nagatomi Ryoichi
    • Journal Title

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      Volume: 634 Pages: 40~47

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2022.09.113

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] アミノペプチダーゼによる筋分化制御メカニズムの解明2022

    • Author(s)
      Shion Osana, Yasuo Kitajima, Suzuki Naoki, Hiroaki Takada, Kazutaka Murayama, Yutaka Kano, Ryoichi Nagatomi.
    • Organizer
      第8回日本筋学会
  • [Presentation] ペプチド分解酵素による筋分化制御機構の解明2022

    • Author(s)
      長名シオン, 北嶋康雄, 鈴木直輝, 村山和隆, 永富良一, 狩野豊
    • Organizer
      第77回日本体力医学会
  • [Presentation] ペプチド分解酵素LAP3による筋量調節機構の解明2022

    • Author(s)
      長名シオン, 北嶋康雄, 鈴木直輝, 高田拓明, 村山和隆, 狩野豊, 永富良一
    • Organizer
      第9回骨格筋生物学研究会
  • [Remarks] 筋肉形成におけるペプチド分解酵素の新たな役割を発見 -筋細胞の増殖・分化制御の理解への貢献が期待-

    • URL

      https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/01/press20210118-01-psa.html

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi