2023 Fiscal Year Annual Research Report
運動が海馬機能を増強するメカニズムの統合的解明:動物からヒトへの橋渡し研究
Project/Area Number |
21H04858
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
征矢 英昭 筑波大学, 体育系, 教授 (50221346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 正洋 筑波大学, 体育系, 助教 (30726617)
グレニエ フランソワ 筑波大学, 体育系, 研究員 (90738692) [Withdrawn]
永野 敦子 筑波大学, 体育系, 研究員 (90897886)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | 海馬 / 低強度運動 / 認知機能 / ドーパミン / 青斑核 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、誰もが意欲的に継続可能な低強度運動が海馬を刺激し記憶を増強させるメカニズムを、青斑核 (LC) ―海馬ドーパミン (DA) 系に着目し、動物―ヒト橋渡し研究により徹底検証することで、強固な神経科学的エビデンスを有する海馬機能増強戦略として提案することを目指す。最終年度である令和5年度は、実験計画に従いプロジェクト1~3を実施した。 プロジェクト1では、一過性の低強度運動によるLC 活性化や海馬DA増加に関する効果についてプレプリントとして公開し (Hiraga et al., bioRxiv, 2023)、査読中である。LCを薬理遺伝学的に抑制する実験に本格着手し、LCの細胞に効率よく発現可能な抑制性人工受容体を選定した。これが低強度運動時のLCの活動を減弱させ、海馬へのDA放出や記憶の保持に影響を及ぼすことを確認した。 プロジェクト2では、ヒトでのLCの活動を評価可能なMRIイメージング法を確立し、一過性超低強度運動によるLCの活動性の増大が瞳孔径拡大や心理的な覚醒度の向上と関連することがわかった (Yamazaki et al., Cereb Cortex Commun, 2023)。さらに、一過性超低強度運動による瞳孔径の拡大から、認知機能向上を予測できることを明らかとした (Kuwamizu et al., NeuroImage, 2023)。 プロジェクト3では、習慣的な低強度運動が心的外傷後ストレス障害 (PTSD) を早期に改善できることを動物研究から明らかにした (Shimoda et al., MSSE, 2023)。ヒト研究では、一過性の超低強度運動が健常高齢者の記憶を向上できることを明らかとし、このメカニズムにLCが関与することが瞳孔径解析から示唆された (Suwabe et al., Neurobiol Aging, 2023)。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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