2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of innovative simulation technology for the realization of continuous production of pharmaceuticals
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21H04870
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 幹夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00391342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出町 和之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00292764)
森 隆昌 法政大学, 生命科学部, 教授 (20345929)
綱澤 有輝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (80803923)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 離散要素法 / 医薬品 / Discrete Element Method / DEM / 粗視化モデル / Modeling & Simulation / V&V / 固有直行分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
医薬品の製造において連続生産の導入が注目されている。これまでの連続生産の研究は実験やプロセス設計を中心になされてきた。国内で連続生産の対象となる医薬品はまだ少なく、連続生産の実現のために精緻なコンピュータシミュレーションの導入が期待されている。本研究では、固形製剤を対象としたコンピュータシミュレーションに関する研究を行う。 固形製剤の連続生産は固体粒子と流体が複雑に相互作用するマルチフィジックス問題である。このようなマルチフィジックス問題の数値シミュレーションを実行するために、研究者代表者のグループで独自開発したFlexible Euler-Lagrange method with an implicit algorithm(FELMI)コードを使用して研究を進める。 FELMIでは、固相をDiscrete Element Method (DEM)でモデル化する。2022年度は、主として、(1)DEM粗視化モデルの妥当性確認および(2)湿潤粉体における毛管力モデルの妥当性確認に関する研究を行った。(1)DEM粗視化モデルの妥当性確認の研究では、Proper Orthogonal Decompositionを用いて、DEM粗視化モデルの妥当性確認を行えることを世界で初めて示した(粗視化モデル体系とオリジナル粒子体系におけるモード解析の結果がよく一致)。(2)湿潤粉体における毛管力モデルの妥当性確認では、研究代表者のグループで開発されたDEMの毛管力モデルが既存のものに対して十分なアドバンテージがあることを示した。さらに、本毛管力モデルを実際の粉体プロセスで用いられる機器に応用し、湿潤粉体の挙動が実験結果と計算結果で一致することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究者代表者のグループで独自開発したFlexible Euler-Lagrange method with an implicit algorithm (FELMI)コードを用いて研究を進めた。連続生産の物理シミュレーションの要素技術の確立を目的として、DEM粗視化モデルおよびDEMの毛管力の妥当性確認を行った他、これらの数値解析モデルを産業で使用される粉体システムに応用できることを示した。研究成果は、権威ある国際学術雑誌において論文として出版された他、取り組んだ研究内容などが認められて国内外の学会において招待講演を行ったことから、おおむね順調に進展したと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、固形製剤の連続生産を対象とした数値シミュレーションに関する技術開発を行う。研究代表者のグループで開発した、DEM粗視化モデル、非球形粒子モデル、混相流モデルなどを組み合わせた新しい計算モデルを開発するとともに、人工知能を用いた代理モデルも開発する。計算モデルや代理モデルの安定性や精緻化の研究も行っていく。
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