2022 Fiscal Year Annual Research Report
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21H04912
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅井 潔 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (30356357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 洋 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (80415067)
櫻庭 俊 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 主幹研究員 (90647380)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | RNA2次構造 / 修飾塩基 / mRNA翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内に存在する膨大な種類のRNAは、転写後に様々な修飾を受けることで機能・活性が変化している。しかしながら、修飾を含むRNAの構造を予測するための情報基盤は確立していない。 本研究では、修飾塩基の含むRNAの2次構造エネルギーパラメータの同定とそのソフトウェアへの組み込み、修飾塩基検出技術の開発、およびmRNAの修飾塩基による翻訳効率変化の予測を行うことにより、全転写産物規模でのRNA修飾(エピトランスクリプトーム)に対応したRNAの情報解析基盤を構築することを目指している。 研究代表者らの開発した様々なRNA2次構造情報解析ソフトウェアを基盤として、修飾塩基のエネルギーパラメータを組み、修飾塩基を含むRNAの2次構造情報解析を実現するソフトウェアを開発している。すでに、2種類程度の修飾塩基のエネルギーパラメータを新たに同定するとともに、機械学習を取り入れたエネルギーパラメータ推定法を開発した。具体的には、修飾を含むRNAの2次構造予測の手法を開発するため、塩基対確率のエネルギーパラメータによる微分を用いたパラメータ推定手法を開発した。機能的に重要なRNA2次構造を抽出する有力な方法の1つは、多数の相同RNA配列の構造アラインメントから共通構造を探索することである。RNA 2次構造は細胞の中で揺らぎ、確率的な振る舞いをする。そこで、修飾塩基を含むRNA分子の相互作用をモデル化し、2次構造の確率的揺らぎを考慮して相互作用に寄与する2次構造要素を検出する手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
McCaskillアルゴリズムの自動微分を用いた最急降下法による塩基対確率からのエネルギーパラメータ推定は、計算時間がかかりすぎることが判明したため、McCaskillアルゴリズムの漸化式の微分を直接実装する必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
McCaskillアルゴリズムの漸化式の微分を直接実装し、修飾塩基を含むエネルギーパラメータの推定を行う。
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