2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism and impact of enhanced thermal diffusivity due to double-diffusive convection on ocean circulation, climate and ecosystem
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21H04921
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安田 一郎 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80270792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 顕 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70396943)
松村 義正 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (70631399)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 二重拡散対流 / 海洋循環 / 気候 / 海洋生態系 / 乱流 / 鉛直混合 / 海洋モデリング / 直接数値計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
南極周辺での海氷形成に伴い形成された水温逆転構造における拡散型二重拡散に対する小さな階段構造の検出手法を開発し、乱流よりも大きな鉛直熱輸送が生じる可能性を示唆した。高速水温計を用いた乱流エネルギー散逸率・乱流鉛直拡散係数の南大洋55Eに沿った南極周曲流を横断する断面構造を明らかにし、ファインスケールパラメタリゼーションと比較し、海面・海底から160m以上離れた部分で両者が良く整合することを示した。既存のパラメタリゼーションは流速シア・ストレイン比が大きい時に過大評価する傾向があり、シア・ストレイン比をGarrett・Munkの内部波平衡スペクトルに合わせて3とした、ストレインを用いたパラメタリゼーションが有効であることを示した。47N太平洋横断観測はコロナの影響で日本から150Wまでの観測に短縮された他、計画していた高速電気伝導度センサを搭載した乱流観測は、機器の不調(電気伝導度センサからの浸水と水温センサの異常)によって実施できず、予算を繰り越して、2022年度の航海において実施した。一方、高速水温計と超音波流速計LADCPを用いた観測は予定通り実施することができ、流速が弱い深層でのLADCPの流速シアデータのノイズがパラメタリゼーションにおけるシア・ストレイン比の評価に大きな影響を与えうることを、この航海および他の観測データを併用することで明らかにした。これまで北太平洋西部海域で見過ごされてきたソルトフィンガー活発域が、3月に塩分前線である亜寒帯境界(北緯40度)に沿う緯度方向の密度比=1-2の海水が亜表層に貫入することで出現し、4-8月に不安定を解消しながら減少することが明らかとなった。みらい航海、凌風丸6航海啓風丸6航海、白鳳丸2航海における高速水温計観測を実施し、二重拡散の消長に関わる基礎データを収集することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
47N太平洋横断観測はコロナの影響で日本から150Wまでの観測に短縮された他、計画していた高速電気伝導度センサを搭載した乱流観測は、機器の不調(電気伝導度センサからの浸水と水温センサの異常)によって実施できず、予算を繰り越して、2022年度の航海において実施した。一方、高速水温計と超音波流速計LADCPを用いた観測は予定通り実施することができ、流速が弱い深層でのLADCPの流速シアデータのノイズがパラメタリゼーションにおけるシア・ストレイン比の評価に大きな影響を与えうることを、この航海および他の観測データを併用することで明らかできたことなど、計画は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年2-3月白鳳丸航海で試行した水平方向の詳細構造を捉える曳航式微細構造観測手法を、2022年9月に計画している水産研究・教育機構・水産資源研究所の若鷹丸において、親潮海域に適用することで、親潮海域での大きな水温消散率に対する水平混合の寄与の直接評価を試みる。2020年に親潮前線海域での集中観測データを取りまとめ水温拡散の鉛直成分を評価し、観測条件に合わせて数値実験の結果と合わせて、二重拡散の鉛直熱輸送に対する寄与を明らかにする。2021年7月に47N,160Eに投入した微細構造センサを搭載したフロートを、みらいMR2203航海において回収し、データを解析することにより、北太平洋亜寒帯海域で年間を通して高い水温消散・水温鉛直拡散が生じているか、現場観測データを元に明らかにする。また、当海域や南極周辺で見られる拡散型二重拡散について、観測に基づくシア流中の振る舞いについて、数値実験を実施し、外部環境条件の関数とした渦拡散係数として定式化する。これまで北太平洋西部海域で見過ごされてきたソルトフィンガー活発域が、3月に塩分前線である亜寒帯境界(北緯40度)に沿う緯度方向の密度比=1-2の海水が亜表層に貫入することで出現し、4-8月に不安定を解消しながら減少することが2021年度に明らかとなった。この成果を論文にするとともに、強化される塩分・栄養塩鉛直拡散係数を見積もり、この海域で高い生物生産による栄養塩・炭素の季節的減少をどの程度説明できるか、栄養塩供給に対するモデルに導入することで、明らかにすることを試みる。凌風丸・啓風丸・白鳳丸・新青丸のCTDに取り付けた高速水温計観測を行い、二重拡散出現海域の鉛直拡散の構造と水温・塩分・栄養塩輸送の実態を明らかにする。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Estimate of turbulent energy dissipation rate using free-fall and CTD-attached fast-response thermistors in weak ocean turbulence.2021
Author(s)
Yasuda I., S. Fujio, D. Yanagimoto, K.J. Lee, Y. Sasaki, S. Zhai, M. Tanaka, S. Itoh, T. Tanaka, D. Hasegawa, Y. Goto and D. Sasano
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Journal Title
J. Oceangr
Volume: 77
Pages: 17-28
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Observations of anticyclonic eddies in the western subarctic North Pacific2021
Author(s)
Dobashi R., H. Ueno, Y. Okada, T. Tanaka, J. Nishioka, T. Hirawake, A. Ooki, S. Itoh, D. Hasegawa, Y. Sasai, H. Sasaki, I. Yasuda
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Journal Title
Journal of Oceanography
Volume: 77
Pages: 229-242
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Widespread distribution of allochthonous humic-like fluorescent dissolved organic matter in the intermediate water of the North Pacific2021
Author(s)
Yamashita Y., T. Tosaka, R. Bamba, R. Kamezaki, S. Goto, J. Nishioka, I. Yasuda, T. Hirawake, J. Oida, H. Obata, H. Ogawa
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Journal Title
Progress in Oceanography
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Nanomolar phosphate supply and recycling drive net community production in the western North Pacific.2021
Author(s)
Hashihama F., I. Yasuda, A. Kumabe, M. Sato, H. Sasaoka, Y. Iida, T. Shiozaki, H. Saito, J. Kanda, K. Furuya, P. W. Boyd, M. Ishii
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Journal Title
Nature Communications
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Iron and nutrient dynamics along the East Kamchatka Current, western Bering Sea Basin and Gulf of Anadyr.2021
Author(s)
Nishioka, J, T. Hirawake, D. Nomura, Y. Yamashita, K. Onoa, A. Murayamaa, A. Shcherbinin, Y. N. Volkov, H. Mitsuderaa, N. Ebuchia, M. Wakatsuchia and I. Yasuda
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Journal Title
Progress in Oceanography
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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