2021 Fiscal Year Annual Research Report
データ駆動型ネットワーク解析による地熱エネルギーの社会受容性評価
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21H04937
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土屋 範芳 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (40207410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 杏奈 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (60796449)
WANG JIAJIE 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (60875467)
平野 伸夫 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (80344688)
窪田 ひろみ 東北大学, 環境科学研究科, 特任准教授 (80371516)
TRENCHER GREGORY 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (90802108)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 社会受容性 / Agen Based Model / 地熱発電 / ステークホルダー / 温泉利用 / ベイズ推定 / ネットワークモデル / 温泉発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,福島県福島市土湯温泉で行われている温泉地熱発電に関して,土湯温泉で実施した社会アンケートに基づいて,Agent Based Modelを用いて,各ステークホルダー間のネットワーク構造と意見形成のプロセスを可視化するシミュレーションモデルを作成した.社会アンケートは温泉旅館のオーナー,観光協会等の役員,温泉旅館以外の観光業者,ならびに行政関係者に対して実施した.ステークホルダー間の関係性をベイズ推定を用いてデータ駆動型のパラメーター設定を行い,社会ネットワーク構造をより実態の近い形で再現するモデルの構築を試みた.このようにして組み立てられた社会構造モデルを用いて社会受容性の形成プロセスの可視化が可能となった. 土湯温泉には,温泉地熱発電を進めている事業者がいるが,土湯温泉地域のオピニオンリーダーとして,地域の意見形成に大きな影響力を持っている.このエージェントの影響力を定量的に評価し,受容性の熟成プロセスを解析した.さらにこのシミュレータを用いることにより,さまざまな条件設定での思考実験が可能となった. これらの成果は,Agent based simulation with data driven parameterization for evaluation of social acceptance of a geothermal development: a case study in Tsuchiyu, Fukushima, Japan (Scientific Reports,(2022) 12:3314, doi.org/10.1038/s41598-022-07272-7として公表した(2022年2月).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染対策のため,温泉地域における対面での社会アンケートの実施には,幾分かの制約が課されたが,結果的には,研究に十分な社会アンケート結果を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
土湯温泉のほかに,複数の温泉地域がある宮城県鳴子温泉郷(鳴子温泉,川渡温泉,東鳴子温泉,鬼首温泉,中山平温泉)を対象に,社会アンケートを実施し,エージェントベースモデル(ABM)を用いた社会受容性解析を進めたい.また,土湯温泉で開発したABMの精度を高めるために,パラメータ設定のアルゴリズムの改良を試みる.
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Research Products
(3 results)