2022 Fiscal Year Annual Research Report
New coral reef conservation approaches in the Anthropocene across depths
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21H04943
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
波利井 佐紀 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (30334535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 仁奈 宮崎大学, 農学部, 准教授 (00617251)
山野 博哉 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 領域長 (60332243)
熊谷 直喜 国立研究開発法人国立環境研究所, 気候変動適応センター, 主任研究員 (00714221)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 深場サンゴ礁 / レフュジア / サンゴ / 鉛直分布変化 / 温暖化 / 集団遺伝構造 / 統計モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄本島北部および石垣島において調査研究を進め、成果の一部は国内外の学術会議での発表や英文論文にて公表した。詳細は以下の通り。 ・成体サンゴの鉛直構造について、水深40mまでコドラート調査を行い、得られた画像解析を行うとともに、一部のサンゴ種について骨格形態および遺伝子解析より同定を行った。また、生物多様性について台湾との国際共同研究にて水中音から検討した。サンゴ幼体(新規加入個体)の鉛直構造について、定着基盤を1年間設置し、基盤上に加入した個体の観察を行なった。現在、これらの試料について遺伝子解析より属レベルの同定を進めている。さらに、浅場のサンゴ幼生4種が深度方向に順応するかどうかを調べたところ、幼生の定着率に水深や種による差はなかったが、その後の生残率では種による差が認められた。一部の種類では深さにより骨格形態の可塑性が認められた。 ・前年度からの継続で、石垣島における海洋熱波の影響についての画像解析を進めた。これまでに深場ではサンゴは白化しなかったことや、浅場ではサンゴ種(属)の構成が変化しつつあることを明らかにした。また、白化に関連してサンゴ数属について水深別の熱耐性について水槽実験により調べた。その結果、深場のサンゴ種は浅場よりも白化する温度閾値が同等かやや低く、種によっても応答が異なり、深場スペシャリスト種において最も高水温に対する感受性が強いことが示された。 ・集団遺伝解析については、様々な海域・水深からのトゲサンゴについてMIG-Seq解析により複数系統を明らかにし、それらの関係を精査した他、新たな種類を追加し解析を開始した。 ・継続で鉛直的なサンゴ分布構造、水温等の連続環境データおよび既存の文献情報の整理を行ない、一括で解析できるように統一的なデータ形式でデータベース構築を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度も新型コロナウイルス感染症拡大のため野外合同調査を延期したが、一部の海域で浅場から深場までのサンゴ分布や加入調査を詳細に行った他、水深別のサンゴ初期生活史に関する実験や成体サンゴの熱耐性実験を行い、着実に成果を得ている。一部は英文論文として公表し、また得られたサンゴ試料や環境解析等も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
延期していた他の海域の野外調査を行い、さまざまな環境でのサンゴの鉛直分布パターンを明らかにする。得られたサンゴ試料より系統解析を行うと共に、複数のサンゴ種についてMIG-seq解析より集団遺伝構造を明らかにする。さらに統計モデルによる群集構造解析・将来予測のための統一的なデータベースを継続で構築する。
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