2022 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of a hospital and environmental diagnosis platform based on bioluminescent C. elegans
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21H04948
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
金 誠培 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60470043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
チッテリオ ダニエル 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00458952)
牧 昌次郎 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20266349)
大浪 修一 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (50348843)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 生物発光 / 可視化 / 化学物質 / イメージング / アルブミン / 生理活性 / バイオアッセイ / セレンテラジン |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究の全体枠組みとして、基礎分野の電通大・牧研と慶大・チッテリオ研の分担者が発光・蛍光インジケーターの合成を行い、産総研・金らが新規バイオアッセイの開発、一分子型発光プローブの設計・開発、動物細胞への応用などを行った。さらに理研・大浪研究室ではこれらの発光システムの線虫応用研究を実施した。 具体的には、牧らは、発光酵素に特異的な発光基質類(K-シリーズ)を合成し、金らの一分子型発光プローブ類と組み合わせて、化学物質のマルチプレックスイメージングシステムを開発した。また牧らはC-シリーズとS-シリーズと言う新規発光基質類を合成し、金らの発光システムと組み合わせることにより、「シグネチャーイメージング」という独特なバイオアッセイ技術を開発した。 他に細胞内蛋白質間の相互作用(PPI)を可視化するBRETプローブの開発、細胞小器官での蛍光-発光イメージング手法の開発などを行った。また外部協力者の島津製作所・基盤研究所の大室らと協力して、近赤外領域に近づけば近づくほど発光輝度が上昇する独特な発光イメージングシステムが開発できた。つい最近では、ヒトやウシ由来の血清アルブミン(HSAやBSA)に特異的に発光する新規発光インジケーター類を開発した。これらの発光インジケーターは、血中アルブミンのバイオアッセイや尿・大便中のアルブミン測定に用いることで、大腸癌や糖尿病の検査などにも応用できる。また、チッテリオらは、独自の合成技術を生かして、生細胞内の二価イオン(Ca2+、Mg2+)の蛍光可視化プローブの合成と動物細胞イメージングに成功した。 最後に、大浪らは、これらの開発した発光・蛍光プローブの線虫応用研究を行った。Ca2+蛍光インジケーターを用いた線虫のイメージングや一分子型発光プローブの遺伝子を線虫型のコドン最適化を行うなど、当該全体研究計画に資する研究を着実に進行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究期間中(2022-2023年度)に、16報の国際原著論文の発表、2本の関連単行本の出版、3件の特許などの成果があった。これらの研究論文が殆どQ1レベルであり、国際共著論文も多数含んでいること、また当初の研究計画による成果が多数得られたことから、「おおむね順調に進展している」と自評する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、当初予定したように、基盤となる発光インジケーターの合成を継続し、化学物質の生理活性を評価する一分子型発光イメージングプローブの開発を継続する。これらの発光イメージングシステムを動物細胞や線虫などに適用して、化学物質の生理活性の評価システムを発展させる。また、研究の最終年度であることから、これまでの研究内容を纏め、国内外の学会発表にも励む予定である。
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