2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨発生機構の理解に基づく組織再生研究基盤の構築
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21H04952
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鄭 雄一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30345053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 伸介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20466733)
酒井 崇匡 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70456151)
北條 宏徳 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80788422)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 骨再生 / 幹細胞 / 一細胞解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト骨発生機構の理解に基づく骨再生研究基盤の構築を目指し、以下の4つのプロジェクトを遂行する:1.ヒト骨発生機構の解析、2.ヒト骨発生制御シグナル因子群の抽出、3.シグナル因子群の機能・階層性の検証、4.ヒト骨再生性シグナルと足場材料の統合と骨欠損モデルを用いたPOC検証。 本年度は昨年度に引き続き上記1,2のプロジェクトを進めた。当研究室で開発したヒト多能性幹細胞由来三次元骨組織を用いた遺伝子制御ネットワークの解析を行った。ヒト多能性幹細胞から椎板細胞(骨軟骨前駆細胞)へのStepwise分化誘導と、誘導細胞の免疫不全マウス腎被膜下への移植により三次元骨組織を誘導する。誘導した骨組織から細胞を回収した後、細胞核を抽出し、一細胞マルチオーム解析(Single Cell RNA-seq+Single Cell ATAC-seq)を行った。本解析では、クロマチン状態と遺伝子発現を一細胞単位で同時に検出することが可能である。クロマチンが開いている状態は、遺伝子発現を正に制御するエンハンサー活性と高い相関があることから、ヒト骨発生におけるダイナミックなエンハンサー活性と遺伝子発現機構の解明に取り組んだ。マルチモーダルなクラスタリング解析により、骨組織に存在する骨格前駆細胞、軟骨・肥大軟骨細胞、骨芽細胞に相当する10の細胞集団の特徴を明らかにした。得られた細胞種特異的なシグナルー転写因子群を同定するため、オープンクロマチン領域におけるモチーフ活性と遺伝子発現を統合解析し、有意水準以上の転写因子群と関連するシグナル因子を抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り有望因子の絞り込みが進んでいる。これまでの研究成果も発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り有望因子の機能解析実験を中心に研究を進める。
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