2021 Fiscal Year Annual Research Report
Multidisciplinary Treatment Strategies for Chronic Atrial Fibrillation by Integrating Phase Variance Analysis and Clinical Visualization Techniques
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21H04953
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐久間 一郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50178597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富井 直輝 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00803602)
山崎 正俊 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (30627328)
中沢 一雄 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (50198058)
芦原 貴司 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80396259)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | 生体制御・治療 / 心房細動 / カテーテルアブレーション / 渦巻き型旋回興奮波 / 光学マッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
1.位相分散解析をさらに進めるために,これまで位相分散解析で注目していた渦巻き型旋回興奮波の中心部分の同定に加え,位相解析に基づき,興奮の湧き出し部分を画像情報解析から安定して同定する手法の開発を行った.位相の時空間情報の勾配解析をもとに一定の精度で湧き出し部分を解析できるようになった. 2.)多電極信号からの膜電位の再構成手法に関しては,コンピュータシミュレーションモデルによる学習に加え,多電極による細胞外電位計測と光学的膜電位解析を同時に行うことが可能なシステムによる実験データを加えた学習を,深層学習モデルに加えることでその性能を試みた.実際の動物心臓を用いた実験データに対して適用したところ,渦巻き型旋回興奮波複雑なダイナミクスもつ胴体に対しても,推定が行っての精度で可能なことが示された. 3.心房モデルの作成とシミュレーションでは,作成した三次元モデル内での渦巻き型旋回興奮波の再現が可能となった. 4.ヒトの心房細動時のデータ解析に関しては,芦原より提供されたデータの解析を開始した.位相分散解析を芦原らが開発したExTRa Mappingに適用したとき,渦巻き型旋回興奮波の動態解析にかかるマッピング精度がどれくらい改善されるのかを検討するために,既存のExTRa Mappingのサンプルデータに位相分散解析を適用した上で,技術的な課題を抽出した. 5.コンピュータシミュレーションによるin silicoでの深層学習モデルを強化学習させることによる,カテーテルアブレーションの最適焼灼部位戦略獲得の可能性を検討し,妥当な焼灼戦略が得られる可能性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.位相分散の解析手法に関して,従来着目していた渦巻き型興奮旋回波の中止付近の同定に加え,脇大興奮部位の同定を食え和得ることで,位相構造の解析がより詳細にできるようになり,実験結果の解析の詳細度が向上した. 2.芦原らのヒト臨床データの解析を開始し,動物でのデータ解析とヒトデータの解析の相違点を抽出できた. 3.実験技術が安定し,大型動物であるブタにおいても,多電極計測と光学マッピングの同時計測実験を安定して実施できるようになった. 4.中沢らの心房形状を考慮したシミュレーションモデルの整備が進んだ.
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Strategy for Future Research Activity |
1.前年度に引き続き,心房細動患者のカテーテルアブレーション治療前後のリアルタイム臨床不整脈映像化データに対する位相分散解析:多電極マッピングデータから心臓興奮伝播パターンの位相マップを描出することができるExTRaマッピングを用いて,得られた臨床的な位相マップに対して位相分散解析を適用した解析を進める。またこれまで主に注目してきた伝導ブロックに深く関係する電気的興奮の再分極相の情報に加え,複雑なSWの挙動を理解する上で必要であると考られる,脱分極面に関係する心筋組織からの湧き出し興奮波の同定アルゴリズムの試作を行う。これらを用いてより多角的なSWのダイナミクス解析を試みる。 2.数値シミュレーションと機械学習の融合による電極計測データからの活動電位分布の再構成手法の開発に関しては,昨年度までに開発した手法に対して,ブタ摘出心臓灌流標本を用いた実験データによる学習の追加による推定性能向上を試みる。またヒト心房形状を考慮した3次元組織モデルを用いたシミュレーションによる学習を試み,推定性能への影響を検討する。これらの検討による推定モデルの評価を,ブタ摘出心臓灌流標本を用いた光学マッピング,電極計測同時計測系により得られる実験データを用いて行う。 3.臨床データおよび動物実験の解析から得られた心房細動の維持につながる位相分散情報と治療前後でのその変化の知見を総合し,個別の心臓の興奮伝搬様式に適した焼灼手法の試作に着手する。また新たな手法として,昨年度試作したコンピュータシミュレーションを用いた強化学習による最適焼灼部位決定手法について前年度問題となった課題解決を中心に改良を試みる。並行して開発する焼灼手法の妥当性を検証する動物実験系あるいは培養心筋細胞実験系の構築を試み,提案手法の妥当性検証方法の検討を行う。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Torsadogenic Action of Late Sodium Current in Experimental Electrical Storm2021
Author(s)
Yukiomi Tsuji, Naoki Tomii , Koichi Tsuneyama , Hiroki Takanari , Tatsuhiko Arafune , Ryoko Niwa , Haruo Honjo , Itsuo Kodama , Naomasa Makita , Ichiro Sakuma , Dobromir Dobrev , Stanley Nattel , Masatoshi Yamazaki
Organizer
第67回日本不整脈心電学会学術大会
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