2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規メカニカル負荷装置の開発を通した次世代メカノメディスンへの挑戦
Project/Area Number |
21H04960
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
成瀬 恵治 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40252233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 雅祥 近畿大学, 理工学部, 准教授 (10346075)
高橋 賢 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (50432258)
片野坂 友紀 金城学院大学, 薬学部, 准教授 (60432639)
森松 賢順 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70580934)
入部 玄太郎 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90284885)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / 高圧力環境 / 圧力刺激 / 伸展刺激 / 剪断応力 / 細胞内カルシウムイオン / 活性酸素種 |
Outline of Annual Research Achievements |
①高圧力顕微鏡の開発に関し、磁力により細胞の培養面の伸展をコントロールするシステムを開発した。これにより、細胞に高圧力を負荷した状態で同時に伸展を行いつつ、細胞の形態変化を顕微鏡で観察することが可能となる。今後は培養細胞を用いて本システムの検証を行う。 ②心不全の原因として、高血圧が、活性酸素種(ROS)による酸化ストレスを増大することが考えられる。一方、糖尿病患者では心不全を併発することが多い。この理由として我々は、高血糖が高血圧誘発性の酸化ストレスを増強させるとの仮説を立てた。これを検証するため、マウスの摘出心筋細胞に高血圧を模擬した伸展刺激を加え、ROS産生を測定した。その結果、2型糖尿病モデルマウスではROS産生の増加が見られたものの、1型糖尿病モデルマウスでは増加が見られなかった。このことから、伸展誘発性ROS産生を増強する因子は高血糖そのものではないことが示唆された。 ③機械感受性イオンチャネルTRPV2は圧力に応じて活動する。心臓の成熟過程に対するTRPV2チャネルの影響を調べたところ、TRPV2欠損マウスでは幼若期を通じて心臓の収縮力が低下し、成熟後の心臓は小さかった。その原因は心筋細胞のT管構造の異常、筋原線維の分節化、およびミトコンドリアの腫脹によることが示唆された。これらの異常は、心筋細胞内でのカルシウム調節タンパクの異常な局在によって惹起されることが示唆された。 ④臓器チップ技術を用いたヒト心臓チップの開発に関し、心臓の構造・機能のよりよい再現には、血管内皮細胞による血流の感知が重要であることが示唆された。血管内皮細胞に対し、血流を模擬した剪断応力がない状態では、iPS細胞から心筋細胞への分化度が低く、心筋の収縮力は弱かった。また剪断応力が弱い状態では血管内皮細胞間の結合が弱く、炎症時のような血管透過性の増大が認められた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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