2022 Fiscal Year Annual Research Report
1細胞活性の光,電気,熱計測に基づく食中毒・感染症原因菌の迅速検査法の開発
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21H04963
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
椎木 弘 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (70335769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 智昭 東京工業大学, 理学院, 准教授 (80372415)
緒方 元気 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 特任講師 (80452829)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 検査技術 / 細菌識別 / 細胞活性 / 迅速検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,細菌細胞の活性を多角的に評価する新しい検出原理を開発することを目的として,(1)細菌特異性電極の開発とともに,(2)細胞活性の高感度計測法の開発を行った。 (1)抗体を化学修飾した金属ナノ粒子を作製し,細胞を標識,観察することで金属ナノ粒子の粒径を分解能とした細胞表面解析を行った。抗O157抗体を修飾した金属ナノ粒子は大腸菌O157にのみ結合し,他の血清型大腸菌には結合しなかった。同様に大腸菌O26や黄色ブドウ球菌に特異性をもつ抗体を異なる金属(金,銀,銅)のナノ粒子に導入し,原理確認した。標識した各細胞を暗視野顕微鏡で観察するとナノ粒子の金属種によって異なる光散乱特性が得られ,このことから,粒子と抗体の組み合わせによって菌種の識別が可能になった。そこで,当初計画にはなかった光散乱に基づく細菌検出法の開発と同時に標的細菌の定量についても今後検討を行うこととした。また,導電性高分子PPy膜を電極上で形成する際,重合反応に標的細菌を共存させ,細胞をPPy膜に固定することに成功した。 (2)細菌の生命活動は,細胞内での種々の化学反応によって支えられていることから,これらの化学反応に着目した細胞活性の評価について検討した。細菌分散液での電気化学計測において,好気下では溶存酸素の減少量から細胞の呼吸活性が評価可能であった。しかし,酸素とメナジオン(電子メディエータ)が共存した場合,電流応答が重複し,正確な活性計測が困難であった。そこで,電子メディエータについて再度探索することとした。酸素は細菌活性にとって重要であることから,計測系における溶存酸素の除去は好ましくない。そこで,酸素の電流応答を電位選択的に除外し,かつ選択した電位で電流応答を示すメディエータの選定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
異なる金属(金,銀,銅)からなるナノ粒子の作製に成功した。これらのナノ粒子が,金属種によって異なる光学特性を示すことを明らかにし,その散乱光が異なる色(白,赤,青)で観察されることを示した。粒子と抗体の組み合わせによって菌種の識別を異なる色で表現できることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画にはなかった光散乱に基づく細菌検出法の開発と同時に標的細菌の定量についても今後検討を行うこととした。
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