2022 Fiscal Year Annual Research Report
X-ray Imaging of the Earth's Magnetosphere : Revealing Global Behavior of the Magnetosphere
Project/Area Number |
21H04972
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
江副 祐一郎 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (90462663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船瀬 龍 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (70509819)
中嶋 大 関東学院大学, 理工学部, 准教授 (70570670)
三石 郁之 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (90725863)
川端 洋輔 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80803006)
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Project Period (FY) |
2021-05-18 – 2025-03-31
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Keywords | X線 / 地球磁気圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究が目標とする GEO-X 衛星の実現とそれによる地球磁気圏X線撮像の実現のための重要な開発要素は,(1) コンパクト・軽量・高感度・広視野X線撮像分光装置と,(2) 観測地点である地球磁気圏の外に到達するために高い推力を持つ推進系を備えた超小型衛星である。そこで観測装置の性能実証モデルの完成度を高めると共に,宇宙環境に対する耐性試験を実施した。衛星バスは設計を進めて,衛星全体の概形を定めつつ,観測効率の定量化を進める等,ミッション達成の確度を高める活動を行った。 (1) 観測装置:望遠鏡は性能実証モデルの改良を行って,角度分解能を改良する手法を開発した。検出器はフライト品の性能評価にも使える軟X線評価システムを整備し,センサとバックエンド回路を組み合わせたデータ取得にも成功した。検出器ボックスの試作やセンサの購入も行った。可視光防護フィルタは紫外線試験を実施して耐性に問題ないことを確認すると共に,フライト品に向けて新た透過率を精度良く計測するシステムを構築した。さらにフライト用フィルタも準備した。各コンポを納めるハウジングとの機械的I/Fのチェックも行った。 (2) 超小型衛星:衛星バスは設計を進めて,電装系・通信系のコンポの選定,熱・構造検討から衛星の概形を定めた。軌道上での磁気圏の観測効率の定量見積もりを進め,ミッション達成の確度が高いことを確認した。またフライトコンポの一部を購入した。必要な高推力の推進系についても地上試験で性能を確かめつつ,衛星バスとの I/F 確認を行った。 その他:衛星・観測装置の具体化に伴い,サイエンス検討も大きく進んだ。スパコンを用いたMHDシミュレーションから精緻なX線発光モデルを構築した。さらに衛星軌道や視野を考慮した観測シミュレータを構築して既存の衛星データとの比較を行い,定量的な予測が可能であることを確かめることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発は総じて順調である。ハードウェア開発とサイエンス検討では予定通りと行って良い進展があった。一方で,昨年度末の時点で,当初想定していたH3ロケット等の遅延に伴い,打ち上げ機会が不透明となったため,新たな打ち上げ機会の網羅的な調査をJAXAの協力の元,網羅的に行った。あわせて一部の開発資金の繰り越しを行った。調査の結果,有力な打ち上げ機会候補が見つかっており,確定に向けて進んでゆきたい。関連したハードウェアやサイエンスの成果は着実に発表し,受賞も頂いている。
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Strategy for Future Research Activity |
観測装置及び衛星の開発検討及びサイエンス検討は順調に推移している。よって活動を継続して,フライトモデルの開発に着手したい。衛星の打ち上げ機会については,JAXA とも協力して慎重に決定する。幸いにして候補が見つかってきており,信頼性の高い機会を獲得する。その上で,ロケットに適合した観測装置及び衛星の開発を行ってゆく。
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