2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research for new paradigm of transport due to phase space fluctuations in fusion plasma
Project/Area Number |
21H04973
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
居田 克巳 核融合科学研究所, その他部局等, 特任教授 (00184599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤堂 泰 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (00249971)
山田 弘司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20200735)
篠原 孝司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (50354600)
徳沢 季彦 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (90311208)
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Project Period (FY) |
2021-05-18 – 2026-03-31
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Keywords | 位相空欄乱流 / ランダウ減衰 / 通過時間減衰 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、イオンの速度空間分布は荷電交換分光法にて計測する計画である。マックスウェル分布からの歪みを検出するためには、イオン・イオン衝突周波数をはるかに超える計測周波数を持つ必要がある。採択前に開発していた炭素不純物イオンに加えて、採択後にバルクプラズマイオンに対しても荷電交換分光システムの高速化を行った。これにより炭素不純物イオンとバルクプラズマイオンの速度分布関数の両方が高速かつ高精度で観測できるようになった。 大型ヘリカル装置(LHD)の高温プラズマにて磁気流体力学(MHD)バーストに伴うマックスウェル分布からの歪みの検出可能性を検証した。プラズマに入射した高エネルギー粒子(重水素)の歳差運動によって励起されたMHDバーストの電磁波はランダウ減衰・通過時間減衰で、炭素不純物イオンとバルクプラズマ(重水素)イオンを加速し、マックスウェル分布からの歪みを引き起こしている事実が観測された。共鳴位相速度(Vres)より速い粒子の個数が増え、遅い粒子の個数が増える現象が、炭素不純物イオンとバルクプラズマ(重水素)イオンで観測された。このマックスウェル分布からの歪みに伴い、炭素不純物イオンは20%のエネルギー増加を、バルクプラズマイオンは6%のエネルギー増加が観測された。電磁波からイオンに移送されたエネルギーに質量依存性が観測された。この無衝突エネルギー移送の質量依存性は、当初の研究計画において予見していなかった実験結果で、高い学術的価値があり、磁気圏プラズマの無衝突エネルギー移送に新たな知見を与えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
T-60SA装置での測定を目指した荷電交換分光測定システムについては、本体室のジャンクションボックスから計測室のジャンクションボックスまで光を伝送する1600本の光ファイバーの製作は終了している。2箇所の観測窓を取り付けられた2個のポートプラグと本体室のジャンクションボックスまでの800本の光ファイバーバンドル2セットの設計も終了している。分光計測を行うための分光器システムも、すでに3台が製作終了している。一部部品については製造中止などのトラブルがあったが、同等品を特注で製造する計画を進めている。JT-60SAの本格的実験には遅れが生じているが、計測システムのR&Dを行うLHDの運転は3年の延長が認められ、十分なR&Dの期間が確保できた。またR&Dで行った観測において、無衝突エネルギー移送の質量依存性が観測されるという実験結果が得られ、単なるR&D以上の成果が得られた。 JT-60SA装置での測定を目指した電子サイクロトロン放射強度測定システムについては、i)ミリ波伝送路のコンポーネントは、設計から製作までが順調に進んでいる。ii)放射光を受信するラジオメータは、設計が完了し、部品の入手を進めているが、一部部品については当初予定よりも納期がかかり、若干の遅れが生じている。iii)ミリ波の集光光学装置は、初期設計では他機器との干渉が生じることが判明したので、再度設計を行っている。ただし、製作は当初の予定通りであり、遅れはない。 当初予定には含めていなかったが、トムソン散乱計測を用いてLHDプラズマを対象に、速度分布関数の変化を観測できる可能性を調査し、非マクスウェル成分によると思われる散乱光のスペクトル強度の変化が得られている。この方式での観測が実証できれば、当初想定以上の成果を得ることができると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
JT-60SAの高速荷電交換分光システムの光学系および光ファイバーバンドルを製作する。観測ポート本体室のジャンクションボックスを製作する。不純物である炭素の速度分布関数とバルクプラズマである水素・重水素の速度分布関数を同時に計測するために、炭素用の分光器に加えて水素用の分光器を製作する。 位相空間トモグラフィ手法の実験データへの適用を進める。計測の対象は、高エネルギー粒子駆動MHDモードのランダウダンピング現象とする。RFプローブをはじめ、さまざまな計測器で揺動の発生時間が同定されるため、分布関数計測の信号対雑音比を向上させるための条件付き平均法を用いることが可能となる。実験条件の異なる場合のデータを複数取得し、分布関数応答がどのように変化するかを議論する。 電子サイクロトロン放射強度測定システムの構築を完了する。ラジオメータの中間周波数信号から周波数成分を弁別するフィルタバンク部を設計し製作する。ラジオメータとしての性能評価をノイズソースを用いて調査し、高温プラズマ計測に十分な性能であることを確認する。アンテナ集光光学装置を試作し、設計通りの性能が得られるか試験する。 運動論的MHDハイブリッドシミュレーションによる高エネルギー粒子励起不安定性の研究では、位相空間分布解析を高エネルギー粒子だけでなく熱イオンにも適用して、波動を中継した高エネルギー粒子から熱イオンへのエネルギー移送過程を解析する。イオンサイクロトロン周波数帯波動によって加速された高速イオンが励起するアルヴェン固有モードのシミュレーションを実行し、高速イオンの位相空間ゆらぎがもたらすAEの多様な時間発展を研究する。
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[Journal Article] Receiver circuit improvement of dual frequency-comb ka-band Doppler backscattering system in the large helical device (LHD)2022
Author(s)
T. Nasu, T. Tokuzawa, T. I. Tsujimura, K. Ida, M. Yoshinuma, T. Kobayashi, K. Tanaka, M. Emoto, S. Inagaki, A. Ejiri, and J. Kohagura
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Journal Title
Review of Scientific Instruments
Volume: 93
Pages: 113518(5pp)
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] 3D Metal Powder Additive Manufacturing Phased Array Antenna for Multichannel Doppler Reflectometer2022
Author(s)
3.T. Tokuzawa,, T. Nasu, S. Inagaki, C. Moon, T. Ido, H. Idei, A. Ejiri, R. Imazawa, M. Yoshida, N. Oyama, K. Tanaka, and K. Ida
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Journal Title
Review of Scientific Instruments
Volume: 93
Pages: 113535(6pp)
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Edge turbulence excitation experiments in LHD2022
Author(s)
T. Tokuzawa, T. Tsujimura, M. Nishiura, H. Igami, S. Inagaki, T. Nasu, K. Ida, T. Kobayashi, M. Yoshinuma, K. Tanaka, Y. Takemura, I. Yamada, and LHD Experiment Group
Organizer
18th International Workshop on H-mode Physics and Transport Barriers (H-mode Workshop)
Int'l Joint Research / Invited
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