2021 Fiscal Year Annual Research Report
On-demand synthesis of sub-nano hybrid alloy particles based on the periodic table
Project/Area Number |
21H05023
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山元 公寿 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (80220458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神戸 徹也 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (00733495)
塚本 孝政 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (10792294)
今岡 享稔 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80398635)
春田 直毅 京都大学, 福井謙一記念研究センター, 特定助教 (90784009)
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Project Period (FY) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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Keywords | デンドリマー / サブナノ粒子 / サブナノ合金粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代のポストナノ材料として注目されている原子精度のサブナノオーダーの合金粒子(サブナノハイブリッド合金)は、118種類存在する元素を原料に、元素種、原子数、原子組成の組み合わせが無限大に存在する新物質として、化学の分野に残された未開拓のフロンティアとして期待されている。 本研究は代表者らのサブナノ粒子の超周期表を設計指針として、独自に開発した精密原子ハイブリッド法を駆使し、狙った多元素物性を発現するサブナノハイブリッド合金を世界に先駆け創製する内容である。このためには、新物質であるサブナノ粒子のライブラリーを構築することが重要となる。 まず今年度は、サブナノハイブリッド合金を新しい元素材料としてライブラリーを完成させるために、研究をいち早く立ち上げることを目指した。デンドリマーへの精密金属集積、サブナノ粒子の合成条件、サブナノ粒子の基礎物性、サブナノ粒子の構造計測のグループに分けて、それぞれのデータを収集し、ネット上で管理できるシステムを構築した。 各種機能性サブナノ粒子は、いずれも対称適合軌道(SAO)モデルに基づく超周期表によって予測されるサブナノ粒子の形状・電子配置に基づいた設計を基盤として選択するようにした。今年度は、これまでの研究展開からの継続性も考慮して、鉄、銅、白金のそれぞれの元素について、サブナノ粒子を合成し、機能評価に努めた。各元素からサブナノオーダーの粒子の形成を低加速エネルギーのSTEMにより確認できた。各種構造解析から、鉄カーバイト、酸化銅、白金銀合金のサブナノ粒子の生成を確認した。機能評価はデンドリマーなど配位子などを加熱分解によって除去し、計測を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はサブナノ粒子の超周期表を設計指針として、独自に開発した原子ハイブリッド法を駆使し、狙った多元素物性を発現するサブナノハイブリッド合金を創製する事を目的としている。このためには、数多くのサブナノ粒子を合成し、新物質であるサブナノ粒子のライブラリーを構築することが重要となる。 まず今年度は、サブナノハイブリッド合金を新しい元素材料としてライブラリーを完成させるために、研究をいち早く立ち上げることができた。特に、精密金属集積、サブナノ粒子の合成条件、サブナノ粒子の基礎物性、サブナノ粒子の構造計測のグループに分けて、それぞれのデータを収集し、ネット上で管理できるシステムを構築できた。このため、今後、新しい数多くのサブナノ粒子を合成した場合においても、迅速にデータをアップロードし更新して、研究分担者も含めた、院生や技術支援員にも情報共有が可能となる。今後の研究推進が化すると期待している。 各種機能性サブナノ粒子は、いずれも対称適合軌道(SAO)モデルに基づく超周期表によって予測されるが、機械学習や計算化学を専門とする研究者との親密な共同研究態勢は整っている。サブナノ粒子の形状・電子配置に基づいた設計については、支障はないと判断する。今年度は、これまでの研究展開からの継続性も考慮して、鉄、銅、白金のそれぞれの元素について、サブナノ粒子を合成し、機能評価に努めた。新規のサブナノ粒子の合成と構造確認の難易度の高いと予想されたが、研究室に既設の低加速エネルギーのSTEMの有効活用により、スムーズに研究を推進できた。初年度ではあるが、鉄カーバイト、酸化銅、白金銀合金のサブナノ粒子の合成を達成できたことは、順調に研究は進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究は概ね順調に進展している。充実した研究設備をフル活用して、研究の進展をさらに進めたい。さらに、これまで築いてきた、共同研究による連携をさらに親密にして、研究推進の加速を図る予定である。今後の具体的な研究推進方策であるが、研究計画に従い進める。 対称適合軌道(SAO)により、最高占有と最低非占有軌道のエネルギーギャップ見積もり、高い発光量子収率を持つ発光特性を示すサブナノ粒子の設計に取り組む。合わせて、バンドギャップの小さい金属-金属結合の振動エネルギー基づく赤外発光も期待したい。サブナノ粒子内の異種元素間の電気陰性度の違いによる電荷分離を促進して、触媒活性サイト原子を活性化し、高い触媒活性を持つ粒子を探索する。電気陰性度の大きな元素種を選択し、安定な閉殻電子配置になるように、対称性、元素種、組成を検討する。酸素酸化還元を指標として、電気陰性度や基質親和性などが大きく異なる元素を合金化することで、貴金属と卑金属の合金化による貴金属元素の触媒性能のさらなる向上や、複数卑金属の合金化による貴金属相当の性能を持つ卑金属触媒の創成を狙う。
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Research Products
(70 results)