2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new fabrication methods of polymer materials based on the structurally controlled hyperbranched polymers
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21H05027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山子 茂 京都大学, 化学研究所, 教授 (30222368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊佐 真一 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (00301432)
馬見塚 拓 京都大学, 化学研究所, 教授 (00346107)
竹中 幹人 京都大学, 化学研究所, 教授 (30222102)
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Project Period (FY) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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Keywords | 超分岐ポリマー / 多分岐ポリマー / デンドリマー / 制御ラジカル重合 / 有機テルル / 自己修復性材料 / ポリマーリサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
a1) HBP合成の深化と新しいHBP分子の創製、2) HBPの物性・機能の解明、3) HBP合成・物性・機能インフォマティクスの構築、について検討を行った。 1)に関してはまず、これまで用いてきた分岐誘起モノマーであるビニルテルリド(VT)で顕在化してきた問題の解決のために、新たにフェニル基を持つ新たなVTを高効率に合成することに成功した。さらに、これが従来のVT同様な分岐誘起効果を持つことを実証した。さらに、もう一つの合成における問題であった、高分子量体とブロック共重合体の合成に難がある点に関し、水中でのエマルジョン重合を用いることでこの問題の解決を図ることを計画し、まず、線状高分子合成においてその確率を図った。その結果、新たに親水性の置換基を持つ有機テルル重合開始剤を開発すると共に、重合条件を最適化することで、分子量が数十万を超えるポリアクリレートやポリスチレン、さらにそれらからなるブロック共重合体が合成できることを明らかにした。 2)に関しては、代表的な熱官能性高分子であり、その水溶液が下限臨界溶液温度(LCST)を示すポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)に着目し、世代G = 3, 4, 5のHB-PNIPAMを系統的に合成し、そのLCST挙動を調べた。その結果、線状高分子とは異なり、HB-PNIPAMでは分子量が小さくなるにつれてLCST温度が低下すると共に、その傾向はGが大きい方がより顕著であった。しかし、LCSTを分岐点間平均モノマー数ncで規格化したところ、すべてのHB-PNIPAMのLCSTは同じnc依存性を示した。さらにこれが高分子側鎖のアミドに対する水の共同的な水和・脱水和機構に起因することを示した。 3) に関しては、本HBP合成の基盤となるラジカル共重合反応に関し、既存のデータを網羅的に終始、データベースの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の提案に沿って進行していることから、この判断を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1) HBP合成の深化と新しいHBP分子の創製、2) HBPの物性・機能の解明、3) HBP合成・物性・機能インフォマティクスの構築、に関して以下の検討を行う。 1) に関しては、本年度に開発したエマルジョン重合系をHBP合成へと展開してその有効性を実証する。この重合系は特にブロック共重合体の合成に優れていると考えられることから、これまで均一系ですでに合成できていた線状マクロ開始剤からHBPを合成することで生じる、線状-HBブロック重合体のみならず、HBマクロ開始剤を用いることで、HB―線状、あるいはHB-HBブロック重合体等の、これまでにないトポロジーを持つブロック重合体の創製を図る。 2) に関して、本研究で合成するHBPの分散度がリビングラジカル重合で合成される線状高分子よりも広い点について、シミュレーションと実験の両方から検討する。シミュレーションについては、ラジカル重合の素反応を基盤とする確率論的シミュレーションを行うことで、分散度だけではなく得られるHBPの分岐構造に関する情報も得られることが期待される。また、新たにレオロジー測定を行うことで、合成したHBPにおける絡み合い状態に関する情報を直接得ることを試みる。 3) に関しては、引き続きラジカル共重合データを収集し、データベース化するとともに、それを用いた機械学習に関しても検討を行う。
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Research Products
(15 results)