2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of male infertile model mice by genome editing and comprehensive study of fertilization
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21H05033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20304066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 学 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80608787)
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Project Period (FY) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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Keywords | 実験動物 / ゲノム編集 / 不妊 / 精子 / 受精 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ゲノム編集マウス作製・解析プラットフォームを完成させて応用し、哺乳類の精子・受精のバイオロジーを究める研究を同時に進めている。 ①ゲノム編集マウス作製・解析プラットフォーム:2021年度は、NGGではなくNGをPAM配列として認識するCas9-NGを用いて、ポリグルタミン病の原因となるCAGリピートのゲノム編集に挑戦した。具体的には、ハンチントン舞踏病の原因となる、ヒト病変型Httを有するマウスES細胞においてCas9-NGを用いてCAGリピートを現象させ、個体復元した場合には病変が認められなくなることを確認、論文報告した。 ②哺乳類の生殖生物学:精巣特異的に発現する53遺伝子および関連7遺伝子について、KOマウスを作製して交配試験を実施した。その結果、3系統で胚性致死を示し、残る57系統のうち、32系統では妊孕性に問題がなく、15系統で妊孕性が低下、10系統で雄性不妊が認められた。雄性不妊系統については、さらに解析を進め、KCTD19/ZFP541複合体が減数分裂に必須であること、LRRC23やC2CD6が精子運動性に必須であること、SPATA33が精子カルシニューリンの局在を介して精子運動性を制御することを明らかにして、論文報告した。また国際共同研究によりゲノム編集ゼブラフィッシュを用いた受精関連因子の解析を進め、SPACA4タンパク質は、魚類では卵で発現するのに対し、マウスでは精子で発現して受精を制御することを論文報告した。さらにDCST1/DCST2は、魚類でもマウスでも精子と卵の融合に必須であることも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2021年度内に60遺伝子のKOマウスを作製し、表現型解析を実施することができた。すでに25遺伝子のKOマウスについて英語原著論文として報告しており、成果が順調に得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しており、当初予定通り推進することができると考えている。KOマウス作製による生殖関連遺伝子の機能解析は、競争が激しくなってきているが、国際連携を高めることで、競争力を維持したい。
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Research Products
(18 results)