2022 Fiscal Year Annual Research Report
Plasticity of mineral element transport system in response to soil environmental fluctuations in plants
Project/Area Number |
21H05034
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
馬 建鋒 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (80260389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山地 直樹 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (00444646)
宮地 孝明 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 研究教授 (40550314)
三谷 奈見季 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (40581020)
菅 倫寛 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (60634920)
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Project Period (FY) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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Keywords | イネ / トランスポーター / ミネラル輸送 / 環境変動 / 制御 / 根 |
Outline of Annual Research Achievements |
イネから同定したケイ酸輸送体Lsi1とLsi2は特徴的に根の外皮細胞と内皮細胞の遠心側と向心側に偏在するが、様々な手法でこの極性局在の機構について調べ、Lsi1の極性局在はクラスリン経路のエンドサイトーシスに依存しないことを明らかにした。一方、極性局在しないオオムギのケイ酸輸送体HvLsi2をイネの外皮と内皮細胞に人為的に発現させると、極性を示すようになり、ケイ酸輸送体の極性局在機構は特定の細胞にあることを示唆している。 またイネのケイ酸輸送体Lsi1について、根の外皮細胞および内皮細胞における遠心側への極性局在に重要なタンパク質領域の解析を行い、N末端およびC末端領域の特定のイソロイシン残基、およびC末端領域の正電荷を持つアミノ酸残基が必須であることを明らかにした。また極性局在が失われた改変型Lsi1を導入した形質転換イネによる解析から、効率的なケイ酸吸収におけるLsi1極性局在の重要性が改めて確認された。 イネケイ素輸送体遺伝子OsLsi1とOsLsi2は環境中のケイ酸濃度が高くなると、その発現が抑制されるが、我々はその発現抑制に関わるシグナルタンパク質(SSS)を同定した。SSS遺伝子は葉に発現し、根に発現しないが、そのコードされたタンパク質は根において強く検出された。 イネコアコレクションのカドミウム蓄積が少ない系統(Pokkali)を用いたQTL解析から原因遺伝子を同定した。この系統ではカドミウム/マンガン輸送体OsNramp5遺伝子が重複しており、根の遺伝子発現およびタンパク質レベルが他系統の2倍に増加していた。その結果、根のマンガンおよびカドミウムの吸収能も倍加しており、根から地上部へのカドミウムの転流がマンガンによって競合的に阻害されると考えられた。 ケイ酸排出輸送体Lsi2の大量培養・精製に成功し、クライオ電子顕微鏡による単粒子構造解析と結晶化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定より多くのミネラル輸送体の同定や環境変動に対する応答機構の解明ができた。これらの成果はNature FoodやPlant Cellなどのトップジャーナルに発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き共同研究者と緊密に連携して、イネの環境変動に対する応答機構を様々な手法で解明していく。
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