2023 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstitution of the higher-order structure of the human kidney based on stromal progenitor induction
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21H05050
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (70291309)
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Project Period (FY) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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Keywords | 腎臓発生 / 間質前駆細胞 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓はネフロン前駆細胞、尿管芽、間質前駆細胞という3つの前駆組織の相互作用によって形成される。申請者はこれまでに、マウスの発生学的知見に基づいてマウスES細胞及びヒトiPS細胞からネフロン前駆細胞と尿管芽の試験管内誘導法(腎オルガノイド作製法)を報告してきた。そこで本計画では、3つ目の間質前駆細胞の誘導法を開発し、前2者と組み合わせることによって、分岐構造の周囲に機能ユニットが配置された腎臓本来の高次構造を再構築することを目的とする。これに際してマウスとヒトの種差を解明することによって、ヒトでこれを達成する。さらに移植によって血流・尿路を確保して成熟させ、尿を産生して排出するという腎臓機能をオルガノイドに獲得させる計画である。本年度は以下の研究を行った。 1. ヒト間質前駆細胞の誘導:シングルセル RNAシークエンスによって同定した間質前駆細胞で発現するマーカーやシグナル分子をもとに、ヒトiPS細胞から間質前駆細胞を誘導した。それを遺伝子発現と腎臓構造構築能で検定することによって、誘導条件を改善した。また他の2つの前駆細胞(ネフロン前駆細胞と尿管芽)の誘導条件改善も行った。 2. 尿管周囲間質前駆細胞の誘導:尿管周囲の間質は、これまでに誘導してきた腎臓内間質前駆細胞とは異なるもう一つの間質前駆細胞に由来する。この尿管周囲間質前駆細胞をマウスES細胞から誘導し、シングルセル RNAシークエンスで検証することによって誘導法を改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト間質前駆細胞の誘導法及びマウス尿管周囲間質細胞の誘導法をほぼ確立したため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト iPS細胞から誘導した間質前駆細胞を他の前駆細胞と組み合わせることで、高次構造を持ったヒト腎臓を作製し、さらには尿管を持った腎臓組織の構築を目指す。
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