2021 Fiscal Year Annual Research Report
受精卵着床過程におけるプロスタグランジンシグナルの機能解析
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21J00509
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藍川 志津 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 胚着床 / プロスタグランジン |
Outline of Annual Research Achievements |
体外受精・胚移植で良好胚を移植しても妊娠しない着床障害が不妊治療において問題となっている。着床は、①胚の子宮内膜管腔上皮への対位(胚対位)、②胚の子宮内膜管腔上皮への接着(胚接着)、③胚の子宮内膜間質への浸潤(胚浸潤)という3つの一連の過程で定義される。シクロオキシゲナーゼ (Cox)阻害剤インドメタシンが妊婦へ投与禁忌であることが古くから知られ、全身性Cox-2 KOマウスは妊娠初期の異常に起因した完全不妊であることから、妊娠期におけるCox-2の重要性が広く認知されている。一方で、Cox-2 KOは排卵や受精にも異常を生じるため、子宮に発現するCox-2に限局した機能的意義は不明であった。また、Cox-1も着床期子宮に高発現しているが、Cox-1全身KOマウスではCox-2の代償的発現上昇が生じ、見かけ上妊娠期に異常が起こらない。こうした背景を踏まえ、本研究では着床期子宮におけるCox-1・Cox-2の機能的意義を解析した。まず、Cox-2の子宮特異的KOマウス (Cox-2 uKO)を作製したところ、このマウスは妊娠成功率・産仔数ともに野生型の半数まで低下した。加えて、Cox-1 KOとCox-2uKOを掛け合わせたマウス (DKO)では全く産仔が得られなかった。こうした妊孕能低下の異常を探るため、着床期子宮の組織形態学的解析を行ったところ、Cox-2 uKOでは胚浸潤に異常が生じていることが明らかとなった。DKOは更に重篤な異常を示し、胚対位と接着が不全であった。以上から、着床期子宮において、Cox-1とCox-2は異なる機能的意義を持つことが初めて明らかとなった。現在、Cox-1・Cox-2により産生され機能的に重要なプロスタグランジン分子種の同定に取り組んでいる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)