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2021 Fiscal Year Annual Research Report

標準模型を超えた物理の精密検証を目指した高強度低温ミューオン源の開発

Research Project

Project/Area Number 21J01132
Research InstitutionHigh Energy Accelerator Research Organization

Principal Investigator

上岡 修星  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2021-04-28 – 2024-03-31
Keywords素粒子実験 / 高強度レーザー / ミューオニウム / g-2
Outline of Annual Research Achievements

大強度の低温ミューオン源開発のために、今年度は波長244nmのパルスレーザーの開発を行った。
低温のミューオンを作るためにはミューオニウムのレーザーによる電離が必要である。これまでミューオニウムの1S→2Pの遷移周波数である122nmの波長の光源の開発が主に行われてきたが、真空紫外光の生成の困難さを踏まえると2光子遷移である1S->2Sの遷移を用いた手法も十分有力であるが未開発であった。波長244nm付近の光源はチタンサファイアと非線形結晶を用いたものが過去にも多く開発されていたが、十分なイオン数を確保するためには大強度の波長244nmが必要となり、これまでにないレーザーが必要となる。
今年度は試作機として、波長732nmのECDL、チタンサファイアを用いた注入同期システム、同じくチタンサファイア結晶を用いたマルチパスアンプを開発した。目標強度は波長732nmで75mJ程度であるが、50mJが得られ、改善の余地は残されているものの概ね設計強度に近い値が得られた。また非線形結晶を入手し732nmの3倍波の244nmのパルス光の生成もテストした。課題はチタンサファイアを励起するポンプ光の空間プロファイルであることもわかった。
並行して、J-PARCのS-Lineで進行中のミューオニウム分光実験に参加した。新たに稼働したビームエリアのコミッショニング、ビームのチューニング、ミューオニウムのイオン化の実証を行った。これはイオン化ミューオンの加速試験、ミューオニウムの精密分光実験にとって重要となる実験であり、ミューオニウムのイオン化までを確認することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新たに開発に着手した波長244nmの光源の生成実証までが行えたため。
最終的に要求している強度までは6倍程度の乖離があるが、CW光源、共振器、マルチパスアンプ、波長変換と基礎となる一通りのシステムは試作器の開発ができた。試作器で目指している強度には1.5倍ほど届いていないこと、線幅の評価が未着手である点と課題も残っているがレーザー開発は順調だと結論できる。
またJ-PARCにおけるイオン化の実証も、ビームエリアのコミッショニングからオプティクスの最適化、イオン化の確認まで行うことができた。こちらも順調に進展していると結論できる。

Strategy for Future Research Activity

244nmのパルス光源については、ポンプ光の空間プロファイルの改善と強度増強が最も優先順位が高い。
現在、マルチパスアンプの出力は出力鏡の損傷で制限されているが、平均強度は損傷閾値に対して1桁ほど余裕を見ているので、部分的なホットスポットによって損傷が発生しているとわかる。共振器からの出力は質の良いTEM00モードなので、マルチパスアンプを励起しているポンプ光のプロファイルが損傷の原因であると結論できる。ポンプ光も自作レーザーであるためプロファイル悪化の原因究明と改善が方策である。
J-PARCにおける分光実験においては、g-2実験において重要となる、イオン化率の実測とシミュレーションの比較、来年度計画されている加速試験の準備などが今度の方策となる。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021 Other

All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] J-PARC muon g-2/EDM実験のためのイオン化レーザーの開発2022

    • Author(s)
      上岡修星, 吉田光宏,三部勉, Ce Zhang, 原秀明, 平木貴宏, 今井康貴, 増田孝彦, 宮本祐樹, 植竹智, 山基真佑, 吉村浩司, 鈴木一仁, 石田勝彦
    • Organizer
      日本物理学会 第77回年次大会
  • [Presentation] J-PARC muon g-2/EDM実験のためのイオン化レーザーの開発2021

    • Author(s)
      上岡修星, 吉田光宏,三部勉, Ce Zhang, 原秀明, 平木貴宏, 今井康貴, 増田孝彦, 宮本祐樹, 植竹智, 山基真佑, 吉村浩司, 鈴木一仁, 石田勝彦
    • Organizer
      日本物理学会 2021年秋季大会
  • [Presentation] The J-PARC muon g-2/EDM experiment2021

    • Author(s)
      S. Kamioka
    • Organizer
      HQL2021
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] J-PARCにおけるミューオン g-2/EDM測定実験の現状とこれから2021

    • Author(s)
      上岡修星
    • Organizer
      第12回「Muon科学と加速器研究」研究会
  • [Remarks] J-PARC muon g-2/EDM experiment

    • URL

      https://g-2.kek.jp/

URL: 

Published: 2022-12-28  

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