2021 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluating and predicting combined effects of warming and pesticides on freshwater communities
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21J01194
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
橋本 洸哉 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 特別研究員(PD) (90832436)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | multiple stressors / 農薬の生態影響評価 / 気候変動 / 生物間相互作用 / 人工生態系 / 非線形時系列解析(EDM) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、温暖化と農薬施用の水生生物群集に対する複合影響、すなわち、「温暖化は群集に対する農薬の影響の強弱を変化させるのか」を検証することである。そのために、(1)水田メソコズムを用いた操作実験、(2)個体群レベルの温暖化と農薬施用の複合影響、(3)群集レベルの温暖化と農薬施用の複合影響、(4)Empirical Dynamic Modelingによる温暖化と農薬施用の影響のシミュレーション予測の4項目に取り組む。令和3年度は、項目1の、温暖化処理と農薬処理を組み合わせた操作実験を行った。我が国の農地の典型的な淡水生態系である水田を模した模擬生態系(メソコズム)を国立環境研究所(NIES)構内に設置し、水温を無処理区より4℃上昇させる「温暖化システム」を導入した。5月中旬に温暖化装置を稼働し、6月中旬に農薬散布を行った。実験期間中、大型無脊椎動物、動物・植物プランクトン、付着藻類のサンプリングおよび、pHと水温の測定を原則として週に1回の頻度で行った。 NIESでの温暖化システム稼働は今年度が初めてだったが、実験期間中特に問題なく稼働し、実験システム構築の成功が確かめられた。また、生物および物理環境データについても概ね滞りなくサンプリングに成功した。令和4年5月までに、大型無脊椎動物と動物プランクトンの同定・計数作業が概ね終了している。また予備解析の結果、(A)動物プランクトン群集組成に対する農薬施用の影響の方向ベクトルが、温暖化処理によって入れ替わる(群集組成に対する温暖化と農薬の複合影響)、(B)このような複合影響は夏季に最も顕在化し、秋季には見られなくなる、といったパターンが得られつつある。このことは、水生生物群集に対する温暖化と農薬の複合影響が存在すること、このような複合影響の検証には生物の季節性を加味したデザインが求められることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は当初の予定通り、水田メソコズムを用いた操作実験を実施し、データ取得について遅延なく行うことができている。研究実績の概要でも示した通り、すでに解析も進めており、重要な結果が得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定に従って、引き続き温暖化と農薬施用が生物個体群・群集に与える複合影響を解析する。さらに、生物データをpHや付着藻類増殖量などの生態系過程のデータと組み合わせ、温暖化と農薬の複合影響の実態をより詳しく解析する。
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Research Products
(4 results)