2022 Fiscal Year Annual Research Report
植物間相互作用を利用した薬用植物カンゾウの機能性強化
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21J10068
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西殿 悠人 立命館大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 生薬 / 薬用植物 / カンゾウ / 生物間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、薬用植物カンゾウ(Glycyrrhiza uralensis)の主要な薬効成分の一つ、グリチルリチン酸の生合成を誘導する化合物(エリシター)を植物間相互作用の観点から探索、同定するとともに、それらの成分刺激に起因するグリチルリチン酸の蓄積増加機構を明らかにすることを目的としている。 研究計画に従い、令和4年度は、引き続き、エリシターの探索を目的として多年生雑草の成分研究を行った。令和3年度に着目したハルジオン、ヒメジョオン、セイタカアワダチソウ、ススキ、クズに加え、オオキンケイギクの成分研究を行い、多数の二次代謝産物を単離・精製し、各種スペクトルデータに基づき、それらの構造を決定した。また、単離した化合物のアレロパシー活性をイネ科ライグラス幼苗およびキク科レタス幼苗を用いて評価した。次に、令和3年度に確立した薬用植物カンゾウ植物体の無菌培養系を用いて、グリチルリチン酸の蓄積に及ぼす単離した化合物の影響を評価し、キク科多年生雑草から単離した、いくつかの化合物が、薬用植物カンゾウの根部において、成長阻害無しに、グリチルリチン酸の蓄積を誘導することを見出した。また、エリシター刺激に起因して、グリチルリチン酸の生合成経路における主要な酸化酵素遺伝子の発現量が増加することを明らかにした。 本研究課題を通じて得られた知見は、薬効成分が高蓄積した、機能性の高い薬用植物カンゾウの創出に貢献するものと考えられる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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