2022 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolism of lactic acid bacteria under aerobic conditions with glucose repression removed
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21J10197
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
一瀬 涼 関西大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 乳酸菌 / 流加培養 / 好気 / グルコース抑制 / 呼吸 / 高密度培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳酸菌のグルコース抑制が解除された好気代謝の解明を目的として研究を進めた。本年度はLactococcus lactis MG1363の好気的流加培養時の菌体を用いてRNA-Seq解析を実施した。 好気的な流加培養によりそれぞれ実測0.12、0.16、0.26 /h、また好気的な回分培養により最大の比増殖速度が0.80 /hとなった菌体の合計4検体を用いた。酸素を電子受容体としたNAD+再生系であるNADHオキシダーゼ(NOX)を本株は5種類(noxA、noxB、noxC、noxD、noxE)有しているが、具体的にどの酵素によって酸素が消費されていたのか不明であった。しかし、今回の結果から、noxEのTPM(発現量のレベルを示す指標)が全体的に比べてかなり高く、本株の酸素消費に関わる酵素の中で最も寄与を占めていると考えられる。興味深いことに、流加条件でTPMが上昇する傾向にあり、回分で702だったのが流加で最大1865となった。つまり、グルコース抑制が関わっている可能性がある。また、本株には酸素障害防御に関する酵素も多く存在し、これらの酵素も回分よりも流加の方がTPMが高い傾向にあった。特にTPMが高かったのがsodAであり、これはスーパーオキシドジスムターゼで、酸化障害の代表例であるスーパーオキシドアニオンを酸素と過酸化水素へ分解する。TPMは回分で5029だったのが、流加で最大12295にまで上昇していた。つまり、グルコース抑制が解除された状態では酸素の利用効率が上昇するが、それに伴って生じる酸化障害のリスクを酸化防御系の酵素の発現量も上昇させることで相殺していると考えられる。 本研究により、乳酸菌の好気代謝には比増殖速度が深く関わっていることが示された。今後は遺伝子破壊株を構築し、これらの遺伝子が好気代謝全体においてどのような役割を担っているのかを明らかにする。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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