2022 Fiscal Year Annual Research Report
曲線複体を用いた Heegaard 分解の写像類群の研究
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21J10249
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井口 大幹 広島大学, 先進理工系科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 3次元多様体 / Heegaard 分解 / 写像類群 / Heegaard分解の空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から写像の特異点に関する理論を絡めた手法(Rubinstein-Scharlemann グラフィック)を用いてHeegaard分解の写像類群を調べており、今年度はこの方法を発展させることでHeegaard分解の空間について研究を行った。大雑把には、これはHeegaard分解の写像類群の分類空間と非常に近い空間である。今回新たな試みとしてグラフィックの2-パラメーター族を導入することによりHeegaard分解の空間のホモトピー群の計算を行った。応用として次の結果を得た: 3次元多様体の(Hempel距離の意味で)十分複雑なHeegaard分解が与えられたとき、その1回安定化によって得られるHeegaard分解の写像類群は有限表示群である。一般的に言ってHeegaard分解の写像類群が有限表示群であるかどうかを決定することは難しい問題であるが、上記結果はこの問題を部分的に解決したものであり、満足のゆく結果が得られたと考えている。また、安定化されたHeegaard分解がなす空間の性質はこれまで殆ど知られていなかったが、今回の研究では上記仮定のもとでHeegaard分解の空間のホモトピー型を決定することに成功した。 また3次元多様体内の絡み目の橋分解の写像類群について研究を行った。絡み目の橋分解はHeegaard分解の一般化であり、多くの場合橋分解の写像類群はHeegaard分解の写像類群の“同変版”と見なすこともできる。今回の研究では、有限生成性でない写像類群をもつ橋分解の例を発見したが、そのような例はこれまでに全く知られていなかったため、意外性があり面白い結果が得られたと考えている。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)