2021 Fiscal Year Annual Research Report
希土類金属の脱酸能を利用する新しいTi粉末の焼結法の開発
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21J10252
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯塚 昭博 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | チタン / 脱酸 / 粉末冶金 |
Outline of Annual Research Achievements |
チタン (Ti) の粉末冶金において、焼結工程でTi中の酸素濃度が必ず上昇することが問題になっている。Ti材料中の酸素濃度増加に伴って、固溶強化の効果で強度は増加するが、延性は低下するため、工業的には質量分率が2000 ppm O程度の低酸素濃度のTi材料が広く用いられている。したがって、既存のTiの粉末冶金技術では、低酸素濃度のTi製品製造のために、出発原料として低酸素濃度の高価なTi粉末が不可欠であり、Ti製品の製造コストを増加させる要因となっている。このような背景から、本研究では、安価で高酸素濃度のTi粉末を出発原料として、2000 ppm O以下の低酸素濃度のTi焼結体を製造する新技術の開発を目指している。 本研究では、焼結プロセスのための溶融塩中における金属フィルターを用いる新しいTiの脱酸法を開発した。この新しい手法を用いることで、Yの汚染を低減しながら (< 120 ppm Y)、低酸素濃度 (< 250 ppm O) のTi焼結体を製造できることを実験的に明らかにした。本プロセスにより、高酸素濃度で安価なTi粉末を用いて低酸素濃度のTi焼結体を製造可能になると期待できる。 以上のように本研究で開発した手法を用いることで、原理的には所望の酸素濃度や力学特性を実現可能である。本研究で開発した新技術が実用化されることで、高酸素濃度の安価なTi 粉末を用いて脱酸・焼結を行い、延性・靭性に優れた高品質で低酸素濃度のTi 製品を効率良く大量に製造可能となる。その結果、今後材料の軽量化・高性能化がより望まれていく航空機産業・自動車産業・ロボット産業・海洋産業・医療産業等におけるTi 製品の普及拡大が期待される。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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