2021 Fiscal Year Annual Research Report
Helix inversion and chiral recognition switching in porous coordination polymer crystals by the amplification of local structural changes
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21J10357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 優太郎 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 構造変換 / 結晶 / ホスト・ゲスト / マクロサイクル / 超分子 / ハロゲン結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
目標とする配位子の合成経路上で得られた3,5-bis(bromomethyl)pyridineの臭化水素塩 (BBMP・HBr) が筒状の細孔を有する多孔性超分子結晶を形成することが見出され、その内部空間においてゲスト分子が温度変化に応じて配向を反転することが明らかになった。得られた結晶中では、二つのBBMP・HBr分子が水素結合ならびにハロゲン結合によって会合して形成される環状構造 (BBMP・HBr)2 が上下に集積することで異方性を有するチューブ構造をなしており、その空孔には溶媒のジクロロメタン (CH2Cl2) 分子が包接されていることが単結晶X線回折測定から明らかになった。包接されたCH2Cl2分子はチューブに沿って一次元に配列され、各々の分子は-125 °C以下においてはチューブの方向に対して単一の配向 (V字型) をとっているが (構造I)、昇温していくと逆向きの配向を有する分子 (Λ字型) とのディスオーダーとして存在しながらその比率を変化し、-50 °C以上においてはΛ字型配向のみをとっていた (構造II)。構造IからIIへの配向変化は可逆的であり、ディスオーダーしたV字型およびΛ字型CH2Cl2分子の比率が温度に対して連続的に変化する熱力学的な平衡に従うことが温度可変測定によって示された。この現象は、低温および高温における二状態間のエネルギーの大小関係が中間温度-90 °Cにおいて逆転することに起因する。 二種類の配向を有するゲスト分子の比率が平衡に従って100:0から0:100まで制御されるような結晶構造変換は新しい。また、結晶構造の内部空間における分子認識挙動が外部刺激によって自在制御可能なホスト・ゲストシステムの構築を実現した本年度の成果は、ホスト結晶の構造変換による分子認識スイッチングという目的に有用な知見を与えるものである。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)