2022 Fiscal Year Annual Research Report
Discourse and Power over Politics and Religion in the Case of Modern Egypt
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21J10409
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 友紀 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 近代エジプト / 政治 / 宗教 |
Outline of Annual Research Achievements |
イギリスからの名目的な独立を達成した1922年から同国との同盟条約が締結された1936年頃までの、いわゆる国民国家形成期に、エジプトでは、公私分離を原則とする立憲的な国家においてイスラームやムスリムをどのように位置づけるか、近代化の過程で、伝統や旧の属性が付与された始めた組織・人材・制度をどのように位置づけ直していくか、ムスリム多数派の国民国家における非ムスリムのあり方は何かをめぐって議論があった。それが、本研究の主な考察対象である。 しかし、エジプトは政教一致だったか否かや、その程度を指摘することが本研究の目的ではない。本研究の目的は、以上の追求を通じ、国際条件、経済・社会、権力構造が複雑化・変容する中で、異同ある思潮・思考をもつ様々な主体間の議論が行われ、しかし徐々にその傾向が薄れていく諸相とその要因を明らかにすることである。また、エジプトのムスリム・非ムスリムとして、これからは国民として、国民国家形成に携わった者たちが示した「問題認識」と「答えの模索」を捉えることである。そして、それらを統合的に整理し、これまでの研究や現代の動向に対する示唆を提示することである。 まず、計画通りに、エジプトに多大な影響力を行使してきたイギリスの外交文書の収集を、公文書館に史料の電子化と送付を依頼する形で行った。また、エジプト国立図書館での史料の収集も計画通りに行った。博論関係の研究では新たに二本の論文を発表した。国会、政党勢力の誕生と、それによる権力構造の変容という条件下において発生した、宗教的存在として個別に抽出され得る組織・人材をめぐる国会での議論を考察した。また、これまで発表した論文を組み込んでいる博論についても全体を書き上げることができている。今後は、様々な批判的コメントを踏まえながら、加筆と文言の修正を繰り返し、完成へと向けて地道に歩むのみである。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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