2022 Fiscal Year Annual Research Report
中国農村における電子商取引が農村住民の生活に与える影響
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21J10427
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 翔 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 中国 / 所得格差 / 農村電子商取引 / 出生率 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国の目覚ましい経済発展の影で生じた社会経済問題に対して農村ECが与える影響を明らかにすることが研究の目的で、当該年度は①農村ECが都市・農村間所得格差に与える影響、及び、②農村ECが出生率に与える影響の2つの研究課題について県レベルのパネルデータ分析により明らかにした。農村ECの発展指標として中国EC大手のアリババが定義するタオバオ村の数量を用いた。当該指標は農村EC関連のいくつかの代表的研究で用いられており、農村ECの先進村を代表する指標となっている。①については農村ECは農村の平均所得を引き上げ、都市・農村間所得格差の是正に寄与することが明らかとなった。また、農村ECの先進地域である東部地域のサブグループ分析で農村ECの効果がより顕著であることも明らかとなった。そして、農村ECが格差是正に与える影響は一人当たりGDPが高くなると小さくなることも明らかとなった。さらに、潜在的なメカニズムを分析し、農村部の電子商取引は、農村部の従業員、第二次産業の付加価値、一定規模以上の工業企業数を増加させることが明らかとなった。②については毎年の県レベルの出生率のデータの制約から江蘇省を事例とした研究だが、農村ECは出生率に負の影響があることが明らかとなった。また、農村ECの負の効果は一人当たりGDPが高くなると小さくなることも明らかとなった。いずれの研究も高止まりする所得格差、及び少子高齢化の研究に貢献するもので、共同富裕や未富先老などの観点から政策的な意義も大きい。いずれの研究課題も研究成果を国内外の学会で発表後、査読付き論文に投稿し、現在の状況は、①は現在査読中、②は修正後新規論文として再投稿準備中である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)