2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規キラル三座配位子とコバルト触媒を用いたラジカル的第四級不斉炭素構築
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21J10458
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関野 智行 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 一電子アリル化 / コバルト触媒 / アリル位置換反応 / 光触媒 / 脱アミノ的変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的に従い、光触媒とコバルト(Co)触媒を組み合わせた協働触媒系を活用し、ラジカル求核剤によるアリル位置換反応の開発に取り組んだ。本年度は初期的な検討を目的として、キラル配位子を用いずに炭素ラジカル求核剤を適用した。具体的なラジカル求核剤の前駆体として 、アミンから一段階で合成可能であり、加えて医薬品や天然物のlate-stage誘導体化も実現しうる Katritzkyピリジニウム塩を用いた。種々検討の結果、アセトニトリル溶媒中、 Co源としてテトラフルオロホウ酸コバルト(II)、光触媒として有機光触媒である4CzIPN、電子供与体としてHantzsch ester hydride、塩基として嵩高く配位性の低い2,6-di-tert-butyl-4-methyl-pyridine (DTBMP)を用い可視光照射下反応を行うことで、アリルアセテートとアルキルピリジニウム塩から良好な収率かつ高い選択性にて脱アミノ的にアリル化された目的物が得られることを見出した。 ラジカル求核剤を用いた本反応系では、アニオン求核剤を用いる既報の反応とは異なり、アリル化体はリニア体選択的かつE体選択的に得られた。ピリジニウム塩としては、一級ラジカルを生じるものは適用不可能であったものの、二級ラジカルは環状、鎖状ともに適用可能であった。無保護の水酸基も許容され、ステロイド骨格を含む幅広い基質適用範囲を示した。反応機構解析実験により、当初の計画通り反応系中にて炭素ラジカルが生じ、π-アリルCo中間体が炭素ラジカルを捕捉していることが示唆された。本反応は Coに対する配位子を添加しない条件が最適である点においても興味深い。 以上の成果は 2022年3月にOrganic Letters誌にて公表した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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